和風結婚式、和婚〜その種類や魅力について

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「和婚」というと、多くの人が「神社・寺院で結婚式を挙げること」をイメージするのではないでしょうか。しかし和婚のかたちは、神社・寺院で結婚式を挙げることだけに留まりません。ここでは、さまざまな和婚のかたちを、和の性質が強いものから順番に取り上げていきます。

和婚の選択肢その1:定番中の定番!神前式や仏前式

古くから受け継がれているもっとも基本的でもっとも正式な和婚として、「神前式仏前式」が挙げられます。神前式とは神道の考えに基づいて神社で行われる結婚式であり、仏前式とは仏教の考えに基づいてお寺もしくは自宅の仏前で行う結婚式のことをいいます。

神前式や仏前式では、基本的には和装をまとうことになります。「洋装は絶対にしてはいけない」とまでは言われませんが、一般的に、新郎は羽織袴、新婦は白無垢色打掛黒引き振袖(後述します)をまとうのが一般的です。神前式は特に、「両家が結びつくこと、新郎新婦が結婚することを神に報告し、これからの道行きを守っていただけるようにお願いする」という性質を持っています。対して仏前式の場合は、「縁が結ばれたことを、仏様とご先祖様に報告して、感謝を示すためのもの」と位置づけられています。

なお現在は、和婚のかたちのひとつとして、「茶婚式(ちゃこんしき)」と呼ばれるものにも注目が集まっています。これは茶道の考えや精神性を色濃く反映した結婚式であり、お茶会に近い形式をとります。「お茶会」「茶室で行う」ということから、仏教や神道などのように日本に昔から受け継がれてきた宗教観と結び付けられがちですが、茶婚式自体は宗教に縛られないものです。神前式などでみられる「固めの杯」が濃茶であったり、親族でお茶とお菓子を食べる「親族固めの儀」があったりと、一般的な神前式・仏前式とはまた違った光景が見られるのが茶婚式の特徴です。

和婚の選択肢その2:結婚式の衣装を和装にする

「結婚式自体はホテルやレストランで行うが、衣装を和装にする」というやり方をとる和婚もあります。和婚で着られる新婦の衣装の代表例は、下記の3つです。

  • 白無垢……「結婚式の和装」と聞いたときに、多くの人が思い浮かべるのがこの「白無垢」です。着物はもちろん、足元まですべて白で統一された白無垢は、花嫁だけがまとうことを許されるものです。また、「新郎以外に顔を見せない」「魔除け」の意味の綿帽子が合わせられるのは、この白無垢だけです。
  • 色打掛……赤色や金色、鶴や花など、豪華でおめでたい要素で構成された「色打掛」は、華やかな印象を与えてくれる和装として人気が高いものです。婚礼衣装として長い歴史を持つもので、文金高島田などと合わせます。
  • 黒引き振袖……黒を基調とした振袖であり、裾を引きずるかたちの着物を指します。黒は白と並んで格式が高い色であり、「新郎以外の色に染まらない」という強い決意を表す衣装でもあります。

なおここでは定番の和装を紹介しましたが、現在は、着物の要素を取り入れた着物ドレスや、ドレスに使われている素材で仕立てた着物である新和装なども人気を博しています。着物ドレスや新和装は、非常に斬新で人目を引くデザインであることが多く、「個性的な結婚式」「自分たちだけのオリジナルの結婚式」を作るためにも役立ってくれます。日本に昔から伝わる定番の和装はもちろん、このような「新しい和の結婚式衣装」にも目を向けてみるとよいでしょう。

ちなみに男性の和婚の衣装は、紋付羽織袴が一般的です。ただ、黒色で構成された紋付羽織袴よりもカジュアルで軽快な印象を持つ「色付き紋付袴」を選ぶ人もいます。

和婚の種類その3:和のテイストを取り入れる

飾りつけや演出に、和の要素を取り入れるかたちの和婚を行う人もいます。たとえば会場の飾りつけに、毬やだるまなどの和の小物を取り入れたり、席札に折り紙で作った風車や鶴などを利用したりするやり方です。また、和婚の演出として非常に人気が高いのが、「折り鶴シャワー」です。これは洋風の結婚式のフラワーシャワーに代わるもので、折り紙で折った鶴を新郎新婦に撒くものです。「長寿」「平和」「繁栄」の意味を持つ鶴は、日本では特別な鳥として位置づけられていて、慶事によく用いられます。なおここでは「和のテイストを取り入れる」としていますが、取り入れ方は人によって異なります。会場の飾りつけも演出もすべて純和にする和婚もありますが、洋風を基本としつつそのなかに和のテイストを入れるやり方もあります。

和婚の種類その4:食事にこだわる

新郎新婦は結婚式の主役ですが、同時に参列者をもてなすホスト・ホステスでもあります。そしてホスト・ホステスの役目として、「参列者に楽しんでもらえる食事を用意すること」があります。一般的に「和婚の食事」というと、会席料理に代表される和食をイメージする人が多いかと思われます。

しかし「和の性質を持つ食事」には、下記の3つがあります。

  • 純和の食事……上記で挙げた会席料理などで、しょうゆやこんぶ、みりんなどをベースとして味付けされた料理で構成されるもの。和のダシから作るすまし汁やタイの塩焼きなどが代表例。
  • 和食をベースとして、洋のテイストを取り入れた食事……食事の内容やメニューは和食寄りだが、洋の素材を取り入れたもの。オリーブオイルを使った豆腐や、コンソメを使った茶わん蒸しなどが代表例
  • 洋食をベースとして、和のテイストを取り入れた食事……食事の内容やメニューは洋食寄りだが、和の素材を取り入れたもの。味噌とチーズを掛け合わせたソースに使ったステーキや、しょうゆをソースのベースに使ったサラダなど。

このように「何パーセント程度、和食の要素を取り入れるか」によって、和婚の食事はまったく違った顔を見せます。「自分たちの考える『和婚の食事』はどのようなものか」を考えて、選んでいくとよいでしょう。

和婚の種類その5:引き出物に和の雰囲気をプラス

最後に、「引き出物に和の雰囲気をプラスする」という方法を取り上げます。引き出物は、意外なほどに個性が出るものです。たとえば結婚式の引き出物としてよく選ばれる食器も、和食器にするか洋食器にするかでまったく印象が異なります。もっとも手軽に、かつ確実に和のテイストを表せる和食器として「」がありますが、これを引き出物に入れるだけでも、和婚の印象を強く与えられるようになります。また、引き出物を風呂敷で包んでお渡しすれば、さらに和婚の印象が強くなるでしょう。ちなみに風呂敷は、「幸せを包み込む」「縁を結ぶ」という意味合いもあるので、この意味でも結婚式にぴったりのものだといえます。

さて、結婚式に何度か参加したことのある人は、結婚式の後に新郎新婦から小さなお菓子を渡されたことがあるのではないでしょうか。これも引き出物の一種です。この、新郎新婦から渡されるお菓子は、一般的にはドラジェが選ばれます。ドラジェはアーモンドやゼリービーンズに糖衣をかぶせたもので、紀元前時代にまでその歴史がさかのぼれるお菓子だともいわれています。このドラジェを、金平糖などにすることでも和婚の雰囲気を出すことができます。もともと金平糖は「舶来物」の一種ではありましたが、金平糖が伝わってから500年近くが経とうとする今では、すっかり「日本のお菓子」として定着しました。また、干菓子や飴、豆菓子などを選んでもよいものです。

古来ゆかしい純和の和婚に心惹かれる人は、多くいます。そしてそれと同じように、現代ナイズドされた新しい和婚」に注目する人も多くいます。純和の結婚式とモダンな和婚、そして洋の結婚式のどれが良い・どれが悪いと言えるものではありませんから、「自分たちはどんな結婚式をしたいのか」「自分たちはどのようなかたちで参列者をもてなしたいのか」を考えて、結婚式を組み立てていくとよいでしょう。

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