葬儀の受付のマナー~葬儀形式別にみる頼むべき相手とお礼について

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ほとんどすべての人にとって、「葬儀」は非日常的なことです。そのため実際に自分がその葬儀を行う立場(喪家)になったときには、多くのとまどいを覚えることでしょう。特に「ほかの人にお願いしなければならないこと」に関しては、「失礼のないようにしたいけれど、わからないことばかりで困っている」という人も多いのではないでしょうか。ここではそんな「ほかの人にお願いしなければならないこと」のなかから「葬儀の受付」を取り上げ、

  • だれに頼むのか
  • だれが用意をするのか
  • お礼はどう考えたらいいのか

について解説していきます。

葬儀の受付、だれに頼む? 用意はだれがするの?

葬儀の受付は、「どのような葬儀を行うか」「葬儀の規模はどれくらいか」によって異なります。まずはこれを解説していきます。

一般葬(大規模)

大規模な一般葬(広く訃報を出し、弔問客を受け入れる形式)の場合は、受付の人数も必然的に多くなります。この場合は、

  1. 町内関係
  2. 会社関係
  3. 親族関係
  4. 友人知人関係

などの4つのカテゴリーに分けられます。そしてそれぞれに対応する人(①の場合は町内会の役員、②の場合は総務課の社員、③の場合はいとこ、④の場合は学生時代の友人など)に声をかけて、お願いすることが一般的です。なおここでは4つのカテゴリーとして紹介しましたが、「①と②と④のみ」「②と③と④のみ」などのような場合もあります。また、受付自体が「町内関係はこちら」「会社関係はこちら」などのように分けられていることもよくあります。

一般葬(小~中規模)

小~中規模の一般葬の場合は、受付をカテゴリー別にすることはあまりありません。「受付」とした机のところで、参列者の属性を問わずに不祝儀を受け取り、管理していくかたちをよく取ります。そのため、受付をお願いする相手にも特段の決まりはありません。ただし、

  1. 喪主あるいは故人が現役世代であるのなら、その勤め先の総務課社員
  2. 町内会が活発に活動しているのであれば、町内会の役員
  3. 喪主あるいは家族の友人知人

などが担当するケースが比較的多いように思われます。

家族葬

家族葬は、「ご家族が声をかけた人だけが参加し、それ以外の人は参列しない葬儀」をいいます。そのため一部の特例を除き、家族葬は一般葬に比べて非常に小規模なものとなります。また参加する人のほとんどが親戚縁者となるのが一般的ですから、家族葬の場合は受付を設けないケースが非常に多いといえます。不祝儀を渡す場合は、参列者が家族控え室などに伺って、挨拶とともに渡すかたちがよくとられるからです。また、家族葬の場合は「不祝儀辞退」とするご家庭も多くみられます。この場合はお返しの必要もないので、受付を設けない確率がさらに高くなるでしょう。

なお、受付の準備は基本的には葬儀会社のスタッフが行います。現在はご家庭主導かつ自宅で葬儀を行うケースは非常に珍しく、多くの人が葬儀会社を使って葬儀を行います。この場合は、葬儀会社の方で

  • 芳名帳
  • 筆記用具
  • 不祝儀を受け渡しするためのお盆

を用意するのが一般的です。また大規模な葬儀の場合は、受付の人が使う「受付控え室」が用意されることもありますが、この準備も葬儀会社のスタッフが行います。そのため基本的には喪家側・受付を担当する人が用意をする必要はありません。ただし「どれくらい用意をしてくれるか」などは葬儀会社によって少し差がみられますから、事前に「こちら側(喪家)で用意しなければならないことはあるか」を確認しておきましょう。また葬儀会社側で用意してくれる場合であっても、喪家側でも最低限の準備をしておけば慌てずにすむでしょう。

葬儀の受付のお礼はお菓子などが基本です

葬儀の受付をしてもらった場合のお礼について解説していきます。

葬儀の受付をしてもらった場合、お礼のお金を包んで渡すようにしましょう。この場合は、白の封筒などに「お礼」あるいは「志」と書いて渡すのがよいでしょう。ただし現在は、現金を受け渡しするのは避けようとしているところもよくみられます。この場合は、お菓子などを用意して渡すようにするとよいでしょう。特に「会社の人が複数人受付に立ってくれた」などのような場合は、お菓子にすることをおすすめします。この場合は、社内で食べやすいようなものを選ぶのが鉄則です。個別包装のお菓子で、かつ賞味期限の長いものを選ぶようにします。また、葬儀の受付に限った話ではありませんが、お礼をお渡しする場合には「葬儀の受付をしていただいて、ありがとうございました」と言い添えるようにしてください。

葬儀の受付のお礼はいつまでに行う?予算は?

最後に、葬儀の受付に関するよくある疑問について答えていきましょう。

葬儀の受付をしてくれた人へのお礼、その金額について

葬儀の受付をしてくれた人には、現金やお菓子を渡すべきだという話はすでにしました。それでは金額の相場はどれくらいなのでしょうか。

これの答えは、「1000円~5000円」です。

現金で渡す場合は、1人あたり1000円~5000円程度を包んでお渡しします。明確な統計があるわけではありませんが、迷った場合は3000円程度を包むとよいでしょう。お菓子でお渡しする場合は、3000円~5000円程度が相場です。なお会社関係の人にお願いした場合は、お礼を受け取るのは「受付をしてくれた人だけではなく、その課内全員である」と考えた方がよいでしょう。そのため、その課の人全員にいきわたるように、個数に余裕を持たせてお菓子を選ぶのが正解です。

葬儀の受付のお礼を渡すのはいつまで?

葬儀の受付のお礼は、できれば葬儀後2日以内に渡すようにしてください。ただ、「非常に近しい家族が亡くなり、会社の人に受付を頼んだ。会社の決まりで1週間の忌引き休暇をもらっている」などのようなケースもあるでしょう。この場合は、忌引き休暇中にお礼を持っていくのは大変かと思われます。このような状況のときは、忌明け後の初出社のときに渡しても失礼にはなりにくいでしょう。なお、「お会いするまでに1週間以上かかる」という場合は、郵送で送るようにします。

頼める人がいない……その解消策は?お礼は?

葬儀の受付には、原則として「亡くなった人の家族」は立ちません(より遠い関係にある「親戚」が立つことはあります)。しかし亡くなった人や喪主が非常に高齢の場合は、「会社も辞めてしばらく経つし、施設に入っていた(入っている)ので、人間関係が『家族』で完結している。そのため、葬儀の受付を頼める知り合いもいない」という状況になり、困ることもあるでしょう。この場合は、まず葬儀会社のスタッフに相談してみてください。葬儀の受付は金銭が絡む話であるため、葬儀会社のスタッフが受付に立つことはまずありませんが、なんらかの解決策を提案してくれる可能性はあります。また、葬儀の受付の代行サービスを行っている企業もあります(利用する場合は、葬儀会社やご家族に確認してください)なおこれらの業者を使った場合は、料金以上のお礼は必要ありません。

葬儀の受付は、頼んだこともないし頼まれたこともないという人が非常に多いことと思われます。しかし事前に「だれに頼むか」「お礼はいつどのタイミングで行うか」を知っておけば、戸惑いは少なくなるでしょう。

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