神前式ってどんなもの? 呼ぶ相手や披露宴、服装についても解説

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結婚式の形態は、さまざまです。今回はそのなかから「神前式」を取り上げて、

  • 神前式とはそもそもどんなものか、その流れや基本
  • 神前式の服装はどんなもの?
  • 神前式に参列できる人は?

について解説していきます。

神前式とは、神道の神様の前で行う結婚式のこと

神前式(しんぜんしき)は、結婚式の形態のひとつです。その名前の通り、神様(※この場合の「神様」は日本の「八百万の神々」を指す)に誓いを立てる形式のうちのひとつです。ただし日本はかつては神仏混淆(しんぶつこんこう。神道と仏教が混ざり合って存在すること。日本では明治時代に神仏分離令が出されてこれが分離するまで、神道と仏教は一体になって存在していた)の時代があったため、神前式においても仏教の考え方やスタイルが多少見られます。

神前式を行う場所としてもっともよく選ばれているのは「神社」です。しかしキリスト教の結婚式がそうであるように、現在の神前式もまた、宗教施設である神社以外で行われることもあります。たとえばホテルや結婚式場にある神殿で執り行われるなどです。割合としては、神社で行う人が全体の2分の1程度、ホテルで行う人が4分の1程度、結婚式場で行う人が5分の1程度であると、ゼクシィが統計を出しています。神前式の流れについても簡単に紹介していきます。

  1. 花嫁行列のスタート~入場
  2. お清めの儀式
  3. 神職による祝詞奏上
  4. 三々九度の誓いの盃を交わす
  5. 神楽(舞)の奉納
  6. 新郎新婦が誓いの言葉を述べる
  7. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
  8. 指輪の交換
  9. 親族がお神酒を飲む儀式を行う
  10. 儀式終了の報告~退場

これらはいずれも神前式ならではの儀式といえますが、特に「神道の儀式であること」を想起させるのは、玉串奉奠(たまぐしほうてん)かもしれません。これは神道の葬儀のときにも行われる神道独特の儀式であり、四角の白い紙をつけた榊(さかき)を捧げる儀式です。榊は神道において特別な植物とされており、慶弔問わず、神道の葬儀で非常によく用いられます。

神前式の服装は? ドレスはNG?

神前式の基本を知ったところで、神前式のときに纏う衣装についても紹介していきましょう。

新婦の装い

白無垢

神前式の象徴ともいえる衣装といえば、やはり「白無垢(しろむく)」でしょう。文字通り真っ白な衣装であり、結婚式のときのみに使われる衣装です。ただし、差し色に赤色などを用いることはあります。かつて、武家の娘などの身分が高い人が結婚式のときに着用していた衣装であり、「今までの自分の生を終えて、結婚を機に新しい人生を始めます」「婚家の色に染まります」という意味を持つとされています。今よりもずっと「家との繋がり」が強かった時代ならではの由来だといえますが、やがて時代がくだるに従い、庶民の間でも着られるようになりました。また、白無垢には「綿帽子(わたぼうし)」と呼ばれる特別な帽子をかぶることができます。これは、真っ白な丸い帽子であり、「結婚式が終わるまで、新郎以外には顔を見せません」という意味を持ちます。

色打掛

白無垢は真っ白な衣装ですが、色打掛は柄や色が入った打掛(上着)をまとう形式です。ちなみにこの色打掛は、「式は白無垢で、披露宴は色打掛で」というかたちで用いられるのが一般的です。ただし、一般的には式は白無垢で行われることが多いものの、「色打掛で式をしてはいけない」という決まりがあるわけではありません。特に色打掛で式をしたい!ということであれば、これを利用してもよいでしょう。

黒引き振袖

黒引き振袖は、白無垢や色打掛と比べると少し知名度が劣るかもしれません。なぜならこれがよく用いられた時期はそれほど長くはなく、江戸時代~昭和初期あたりまでだからです。黒を基調とした振袖で、引きずるような長さに整えられているのが大きな特徴です。白無垢が「婚家の色に染まります」という意味を持つものであるのなら、黒引き振袖は「(あなた以外の)だれの色にも染まりません」という意味を持つものであるといえます。正反対の色である「白」と「黒」が、両方とも結婚式の花嫁の色として使われているのは、非常にユニークな話であるといえます。ちなみに黒引き振袖を使う場合は、「式は白無垢、披露宴は色打掛、そして披露宴のお色直しで黒引き振袖」という流れになるのが一般的です。

十二単

上で挙げた3つが基本のスタイルですが、それ以外にも、十二単を着て神前式に臨む人もいます。雅やかな雰囲気を作れるうえ、個性が出るのが大きな魅力です。現在はバリエーションも増えているので、この形式を選んでもよいでしょう。なお十二単での結婚式を希望する場合は、事前にそれを伝えておき、会場選びや衣装選びをすることをおすすめします。

髪型

上では綿帽子について触れましたが、ここからはもう少し詳しく神前式の髪型について解説していきましょう。

神前式の場合は、文金高島田(ぶんきんたかしまだと呼ばれる婚礼のための髪型に整えます。現在はかつらを使う形式が一般的ですが、希望すれば自分の髪で結うこともできます。綿帽子はこの文金高島田の上にかぶることになるものですが、ほかにも「角隠し(つのかくし)」と呼ばれるものをかぶることもあります。かつて「女性は怒り狂うと鬼になる」「女性はもともと角があり、それを隠す必要がある」といわれていたため、この角隠しをつけて嫁がなければならないとされていました。ちなみに綿帽子は白無垢のときのみ使えるものですが、角隠しは色打掛・黒引振袖のときにも使えます。なお現在は、文金高島田などではなく、洋風のヘアスタイルにすることもよくあります。

男性の装い

神前式においては、男性の装いはそれほどバリエーションはありません。

基本的には紋付羽織袴(もんつきはおりはかまの姿に落ち着くでしょう。これは和服の礼装のなかでもっとも格が高いものです。一般的に黒色が選ばれますが、「色紋付」と呼ばれる青色や灰色などのものを選ぶこともできます。また、十二単を選んだときのみ、「束帯」と呼ばれる着物を合わせることもあります。タキシードは「絶対に選んではいけない」というものではありませんが、神前式ではあまり選ばれないでしょう。

参列者の装い

参列者の装いは、一般的な結婚式に準じます。「神前式だから着物を着なければならない」ということはなく、ドレス姿・スーツ姿での参列もまったく問題ありません。

神前式は家族のみが基本だが、友人OKのところも増えている

神前式は、家族・親族以外は参列できません。その範囲も比較的狭く、第二親等(祖父母・伯父伯母・甥姪)程度までです。つまり、基本的には友人は参列できないのです。上でも少し触れましたが、これは神前式が「家と家の結びつき」を重要視するものだからです。また宗教施設である神社が、そもそも大勢の参列者を受け入れられる広さになっていないという現実的な問題もあります。ただ現在は、友人を呼んで行える神前式も増えています。そのため、「絶対に友人は参列できない」というわけではありません。友人も招いて神前式を行いたいということであれば、事前にその希望を伝えて、場所を選んでおくとよいでしょう。

日本古来の結婚式のスタイルである神前式は、現在にいたるまで、多くの人に愛されてきています。厳かで静謐な雰囲気のなかで行われる神前式は、きっと多くの人の心に残るものとなるでしょう。

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