初盆と一周忌が重なりそう……こんな場合の対応策3つ

新盆と一周忌-2

SHARE

Pocket

初盆一周忌も非常に重要なものですが、亡くなったタイミングによってはこの2つが重なってしまうこともあります。
このような場合はどうすればよいのでしょうか?ここでは、このような疑問に対して解決策を3つ提示して、それぞれの特徴について解説していきます。

初盆と一周忌、この2つにはどんな意味がある?

「初盆と一周忌が重なりそうなときにはどのようにするべきか」を解説する前に、まずは「そもそも初盆と一周忌とは何か」「具体的なタイミングについて」から解説していきます。

初盆は「はつぼん」「ういぼん」と読むものです。また、「新盆(にいぼん)」と呼ばれることもあります。これは、「故人が亡くなって四十九日を経過してから初めて迎えるお盆」のことをいいます。一般的なお盆とは異なり、宗教的な儀式を伴うことが非常に多く、ご親族とともに行うことが多いのが特徴です。

対して一周忌とは「故人が旅立ってから一年目のタイミングで行われる儀式」のことをいいます。かつてはこれに先駆けて百か日法要などが行われていましたが、現在ではこの一周忌が四十九日法要の後に行われる宗教的儀式とされることが多いといえます。これも、ご僧侶様を呼び、ご親族を招いて行います。故人のための追善供養のうちのひとつです。なお、四十九日法要のときに納骨を行わなかった場合は、この一周忌のタイミングで納骨を行うことが多いといえます(※ただし、納骨を行う期日に明確な決まりはありません。四十九日前に納骨をしても構いませんし、一周忌を過ぎた後でも手元供養をしていても構いません)。

日程別、初盆の行うタイミングと一周忌を行うタイミングについて

上記で述べた通り、初盆は「故人が亡くなってから四十九日経過後に訪れるお盆」であり、一周忌は「故人が亡くなった一年後に行われる宗教的儀式」をいいます。なお、初盆と一周忌の日程としては、現在は以下のようなスタイルがよくとられます。

  • 平日は避けて、その近くの土日でかつ親族全員の日程が合う日に行われることが多い
  • 「その近くの土日」としているが、原則として後ろ倒しにはしない。前倒しは許容される

また、お盆を7月に行う地域と8月に行う地域がありますが、ここでは分かりやすくするために「8月」としてお話していきます。この前提を踏まえたうえで、具体的な日程について考えていきましょう。

【亡くなったのが2021年の3月11日】

初盆は2021年の8月

一周忌は2022年の3月5日あたり

 

【亡くなったのが2021年の6月7日】

一周忌は2022年の6月11日あたり

初盆は2022年の8月

 

【亡くなったのが2021年の10月20日】

初盆は2022年の8月

一周忌は2022年の11月6日あたり

このようなケースはある意味わかりやすく、初盆を行う日も一周忌を行う日も迷いません。ただ困るのは、「7月~8月に亡くなった」という場合です。たとえば2021年の7月3日に亡くなったとします。この場合、厳密に日時だけで数えれば、2022年の7月2日あたりが一周忌、初盆が2022年の8月あたりになります。また、2021年の8月15日に亡くなった場合はもっと複雑で、2022年8月13日あたりが一周忌、初盆は2022年の8月となります。7月に亡くなった場合は一周忌の後にすぐに初盆が来ることになりますし、8月に亡くなった場合は一周忌と初盆が重なってしまいます。前者の場合はご親族に短いスパンで何度も足を運んでもらう必要が出てきますし、後者の場合は初盆と一周忌のどちらを優先したらいいか迷ってしまうことでしょう。このような状況を解決するためには、どのような方法をとればよいのでしょうか?次項では、この疑問に答えていきます。

初盆と一周忌が重なる! こんな場合はどうする?

初盆と一周忌が重なりそうなときに取れる対応は、以下のいずれかです。

  • 別々に行う
  • 一周忌を優先する
  • 一緒に行う

それぞれ見ていきましょう。
※具体的な日程については、上記の「7月に亡くなった場合」「8月に亡くなった場合」を参考としています。

対策1:別々に行う

「2022年の7月2日に一周忌の法要を行い、2022年の8月に初盆を行う」などのように、一周忌と初盆の2つを分けて行う方法です。この方法はもっとも正式なやり方ですから、宗教に対する帰属意識が格段に強い人や、親族縁者がすべて近場に住んでいる……というケースの場合は、この方法をとるようにするとよいでしょう。また、「一周忌は親族縁者をある程度まで呼んで行うが、初盆に関しては故人の意向を踏まえて同居家族だけで行う」「一周忌も初盆も、同居家族だけで行う」などのように決めているご家庭の場合は、この選択肢がおすすめです。ただ、「親族縁者の住まいはばらばらだが、一周忌と初盆のときには多くの人に集まってもらいたい」「宗教への帰属意識が極めて薄い」「みんなそれぞれ忙しく、短いスパンで有給を取得するのは難しい」などのような場合は、このやり方は現実的な選択肢とは言えなくなります。またこの方法は、一度に多くのお金が出ていく選択肢でもあります。費用面・日程面での負担が大きいというリスクは、十分に把握しておく必要があります。

対策2:一周忌を優先する

「親族に短いスパンで休みを取らせるのは申し訳ない」「一周忌を行って、その後のすぐに初盆を行うのは、費用的な負担が大きすぎる」ということであれば、一周忌を優先しましょう。この場合は、2022年の8月に一周忌を行い、2023年の8月に初盆を行う……という流れになります。一周忌と初盆を比較した場合、優先されるのは「一周忌」の方です。「2022年の8月に初盆を行い、2023年の8月に一周忌を行う」といったかたちはとりません。これは、「初盆はたしかに故人にとって初めてのお盆とはなるが、お盆の性質上『その前に亡くなったご先祖様もお迎えするもの』であるのに対して、一周忌はあくまで『故人のためだけのもの』であるからこちらの方が大切である」という解釈によるものです。

対策3:一緒に行う

宗教への帰属意識が低くなってきた現在においては、葬儀の儀式・儀礼も簡素化されていっています。たとえば昔は個別に行っていた「火葬(亡くなった直後に行われる)」「初七日法要(本来は亡くなってから7日目に行われる)」「精進落とし(本来は亡くなってから49日目に行われる)」が、現在では「火葬が終わったその日」に行われるようになっているのは、その象徴ともいえるでしょう。一周忌と初盆も例外ではありません。現在は「一周忌と初盆の2つを一緒に行おう」というやり方もよくとられるようになりました。このやり方の場合は、金銭的負担が非常に抑えられます。また参列者も「3年続けて、夏休みに法事・法要が入る」「毎回休みをとって駆けつけなければならない」という負担から解放されます。

これら3つの方法は、どれが良い・悪いといえるものではありません。一周忌・初盆に限ったことではなく葬送儀礼全般に言えることですが、結局は残されたご家族がどのように考えるか、どのように感じるかによって「正解」が変わってくるからです。ただ、選択肢とその特徴を知ることは、「より自分たちにあったかたちは何か」を考えていくうえで非常に役立ちます。

贈儀計画コラムでは、人生の儀式における皆さまの悩みをサポート致します。

葬儀・介護・相続・お墓・結婚などそれぞれの課題を、情勢に合わせ専門のサポートスタッフがいつでもご相談を承ります。まずはお気軽にご相談ください。

 

冠婚葬祭セリエンス(贈儀計画コラム運営企業)

電話番号:0120-34-5183 受付時間:9:00-17:00
インターネットでのお問い合わせは24時間承っております。

インターネットでのお問合せはこちら

PAGE TOP