初盆も一周忌も非常に重要なものですが、亡くなったタイミングによってはこの2つが重なってしまうこともあります。このような場合はどうすればよいのでしょうか?
ここでは、重なる理由や具体的なケースを解説したうえで、代表的な対応策を3つ紹介します。それぞれの特徴を知ることで、ご家庭に合った選択の参考になります。
初盆と一周忌、それぞれの意味と違い
まずは、「初盆」と「一周忌」の意味や違いについて整理しましょう。
初盆とは?
「はつぼん」「ういぼん」と読み、地域によっては「新盆(にいぼん)」とも呼ばれます。 故人が亡くなって四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆が「初盆」です。一般的なお盆よりも宗教的儀式の意味合いが強く、ご僧侶を招いた法要を行う家庭も多いです。
一周忌とは?
故人が亡くなってから一年目のタイミングで行う法要が「一周忌」です。追善供養の一環として、ご親族や関係者が集まり、ご僧侶に読経していただくことが一般的です。なお、納骨を四十九日で済ませていない場合、この一周忌のタイミングで納骨を行うこともあります。
具体的に重なるのはいつ?日程例でチェック
以下に、具体的な没年月日に基づいた初盆と一周忌のタイミング例を示します。
※お盆は8月として統一しています。
- 2024年3月11日没 → 初盆:2024年8月 / 一周忌:2025年3月5日頃(重ならない)
- 2024年6月7日没 → 初盆:2025年8月 / 一周忌:2025年6月11日頃(重ならない)
- 2024年8月15日没 → 初盆・一周忌:どちらも2025年8月(重なる)
7月~8月に亡くなった場合は、翌年の夏に初盆と一周忌が重なる可能性が高くなります。
地域によってお盆の時期が異なる点にも注意が必要です。東京など一部では「新暦盆(7月)」を行うため、7月中旬に亡くなった場合でも、初盆と一周忌が同時期に行われることがあります。
初盆と一周忌が重なる場合の対応策3つ
対策1:別々に行う
一周忌と初盆をそれぞれ別日に行う、もっとも正式なやり方です。
例:2025年7月末に一周忌、2025年8月中旬に初盆
メリット
仏教の正式な流れに沿った丁寧な供養ができる
法要1回あたりの集中度が高い
デメリット
準備や費用が2回分かかる
遠方の親族を何度も招く必要がある
向いている人
宗教的儀式を大切にしたい
近場に親族が多く、集まりやすい
対策2:一周忌を優先する
一周忌だけを行い、初盆は省略または家庭内で簡素に済ませる方法です。
メリット
・実施は一度だけなので費用や日程調整がしやすい
・宗教的にも「一周忌の方が重要」とされている
デメリット
・初盆を期待していた親族には説明が必要
向いている人
・遠方の親族が多く、何度も集まるのが難しい
・宗教よりも現実的な事情を重視したい
対策3:一緒に行う(合同法要)
一周忌と初盆を同じ日にまとめて行う方法です。近年、都市部を中心にこの形式が増えています。
メリット
・費用・準備の負担を抑えられる
・親族の予定調整が1回で済む
デメリット
・宗派によっては合同を避けるべきという意見もある
向いている人
・実務面・負担面を最優先に考えたい
・宗教儀式の形式にとらわれすぎず柔軟に判断したい
判断に迷ったときは?
どの方法を選ぶかに「正解」はありません。 以下の観点をもとに、家族や親族と話し合いながら決めていくと良いでしょう。
- 宗教・宗派としての考え方
- 故人や家族の意向
- 地域の風習
- 親族の居住地やスケジュール
- 費用や準備の負担
よくある質問(Q&A)
初盆と一周忌、どちらを優先すべき?
一般的には一周忌が優先されます。初盆は先祖全体の供養ですが、一周忌は亡くなった方個人に対する大切な儀式だからです。
一緒にやっても問題ない?
問題ありません。お寺と相談のうえ、両方を同日に行う家庭も増えています。
法事を簡略化してもいい?
現代では「気持ちを込めて行うこと」が何より大切とされています。無理なく行える形を選びましょう。
初盆・一周忌の準備リスト
- ご住職への日程相談・読経依頼
- 親族への連絡(案内状・LINEなど)
- 法要・会食会場の手配
- 香典返し・引き出物の準備
- 仏壇・供物・お花・白提灯など
- 納骨の確認(未了の場合)
大切なのは「心を込めた供養」
一周忌と初盆が重なる場合、対応策は主に次の3つです。
- 別々に行う
- 一周忌を優先する
- 一緒に行う
宗教的な意味合い、費用や負担、家族の意向などを踏まえて、自分たちにとって最も納得できる形を選びましょう。
形式よりも大切なのは、故人を思う気持ちです。
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