「年末に向けて、必要な法要の準備をしておきたい」「年越しの前に、法要を済ませておきたい」という人は、決して少なくはありません。
そんな人のためにここでは、「大切な法事のタイミングとその意味」「それぞれの法事の流れとマナー」について解説していきます。
なおここでは、主に喪家側の立場から解説していきます。
まずは知っておきたい、大切な法事のタイミングとその意味
もっとも大切な法事のタイミングとして、「納骨」「一周忌」があり、「三回忌および七回忌」があります。
それぞれその意味とタイミングについて解説していきます。
なおここでは、「2023年の12月21日に旅立った」と仮定してお話していきます。
納骨
納骨とは、ご遺骨をお墓(樹木葬なども含む)に入れることを差します。
この納骨は、一般的に四十九日あるいは下記でも取り上げる一周忌で行います。ただし納骨に関しては、「〇日までに行わなければならない」という法律があるわけではないため、一周忌以降に納骨をしてもまったく問題ありません。
お墓のタイプによって、業者に墓石を動かしてもらう必要があるかどうかが異なります。少し石をずらすだけで納骨式にご遺骨を入れられるタイプのお墓もありますが、重い石をどかさなければ入れられないタイプのお墓もあるため、事前に確認が必要です。
一周忌
一周忌は、「故人が亡くなって一年目に行われる法要」です。
2023年12月21日に亡くなっていた場合、2024年12月21日が一周忌法要のタイミングとなります。ただし現在は、「法要は前倒ししてもよい」と考えられているため、命日当日が平日である場合は、その直前の土日に行うのが一般的です。
一周忌は、故人の死後が安らかであることを祈るタイミングであると同時に、喪が明けて日常生活に戻ることを意味するものでもあります。「喪中は年賀状を出さない」「喪中なので結婚式に参加しなかった」などのような人も、この一周忌を期に、故人が亡くなる前の生活に戻っていくと考えるとよいでしょう。
三回忌、七回忌
三回忌は、故人が亡くなって「満2年目のタイミングで」行う法要です。
上記のケースでは、三回忌は「2026年12月21日」ではなく、「2025年12月21日」に行うものです。
また、七回忌は2029年12月21日となります。三回忌・七回忌も、一周忌同様、命日が平日にあたる場合は前倒しにしてもかまいません。
三回忌も七回忌も、故人を偲び、その思い出話を行うための機会だといえます。
ちなみに現在は「弔い上げ(これ以降の法要はしない、とする考え)」を早くに行う人も増えています。かつては三十三回忌などでよく行われていましたが、現在は十三回忌、早いご家庭(ご親族の数はそもそも少ない、故人の意向であるなど)では七回忌をもって弔い上げとすることもあります。
呼ぶ人、流れ、そのマナー
ここからは、それぞれの法要に関するマナーを、よくある質問に基づいて解説していきます。
納骨
まずは「納骨」についてです。
納骨は、上で述べた通り、四十九日あるいは一周忌のタイミングで行われることが多いものです。
【呼ぶ人は?】
親族や、特に親しかった故人の友人を呼びます。なお葬儀(一般葬)のときとは異なり、四十九日法要および納骨式、またこれ以降の年忌法要では、喪家側が声をかけた人のみが参列することになります。
【流れ】
一般的に、
- 法要ホールや寺院に集合
- 開始の挨拶~僧侶入場
- 僧侶による読経
- 僧侶退場
- お墓に移動
- 僧侶の読経~線香をあげる
- 納骨室に納骨する
- 食事をする場所に移動
- 食事
- 引き出物を渡して解散
という流れを取ります。
【開眼供養は必要?】
お墓を新しく買う場合は、ご遺骨を納骨する段階で開眼供養を行うのが基本です。開眼供養とは、初めて仏壇やお墓を買ったときに行うもので、これによってただの「石」だったものに魂が宿るとされています。
ご僧侶による読経の元、ご遺骨をお墓に入れるのがこの「納骨」です。納骨は特に「納骨式」と呼ばれることがあります。ただし、宗教上の理由や、故人の強い希望があれば、ご僧侶を呼ばずに行うことも可能です(下記では「呼ぶこと」を想定しています)。
【服装と御布施】
お布施の額は明確に決められていませんが、四十九日法要+納骨式で50000円~10万円程度が相場です。「四十九日法要の後、納骨式のみを行う」という場合は、四十九日法要のときに30000円~50000円、納骨式のときに30000円~50000円を包みます。お布施は「亡くなった人に捧げるもの」ではないので、原則として白封筒に「御布施」と書いてお渡しします。
また、お車代(ご僧侶自身の寺院で行うとき・喪家が送り迎えをするとき・徒歩圏内の場合は不要)を包みます。さらに、ご僧侶が会食を辞退された場合は御膳料を包みます。
納骨を行う際の喪主・喪家の服装は「喪服」です。
四十九日のタイミングで納骨を行う場合は、正喪服もしくは準喪服とします。
一周忌のタイミングで行う際は準喪服が適当で、一周忌以降に行う場合は略喪服がよいでしょう。
ただし一周忌のタイミングでの納骨でも、ご家族しか参加しない場合などは、略喪服・平服でもかまいません。
一周忌
一周忌についても見ていきましょう。
【呼ぶ人は?】
ご親族はもちろん、故人と親しかったご友人までを招くこともあります。
基本的に年忌法要は、回数を重ねれば重ねるほど呼ぶ人の数が少なくなりますが、一周忌のときにはご友人まで呼ぶご家庭も決して少なくありません。
【流れ】
一周忌の流れは、
- 法要ホールや寺院に集合
- 開始の挨拶~僧侶入場
- 僧侶による読経
- 僧侶退場
- 食事をする場所に移動(同施設内のこともある)
- 食事
- 引き出物を渡して解散
となります。
お墓が近い場合は、4と5の間に「墓参り」が挟まれます。また、四十九日のときに納骨が済んでいない場合は、4と5の間にお墓に行き納骨式をして、納骨室にご遺骨を納める工程が挟まれます。
なお、一周忌法要に限ったことではありませんが、新型コロナウイルス(COVID-19)流行後以降は、「食事・会食の時間」は設けず、お弁当を引き出物と一緒に渡して解散とするケースも見られるようになりました。
【服装と御布施】
基本的に準喪服とします。喪主・喪家・ご親族、どの立場でも準喪服がもっとも一般的ですが、上で述べたように、ご家族のみのケースや故人のご遺志がある場合はこの限りではありません。
御布施の額は、納骨を行わない場合は30000円~50000円が、納骨を行う場合は30000円~10万円が相場です。
三回忌、七回忌
三回忌と七回忌について、最後に解説していきます。
【呼ぶ人】
三回忌になると、基本的にはご家族・ご親族までで行うことが一般的です。ただし、「子どものころからの長い付き合いだった」「家族同然の付き合いがあった」などのご友人がいる場合は、その人を招くこともあります。
七回忌はご親族までが基本です。ただしこれも、故人やご家族のご意向によって多少異なります。
【服装と御布施】
三回忌では、ご家族・ご親族ともに準喪服で参列するのがよいでしょう。現在は略喪服での参列でも構わないとされていますが、喪服の格式はご家族≧ご親族とならなければなりませんから、ご家族は準喪服の方が無難でしょう。
七回忌の場合は、略喪服がよいでしょう。
御布施は、三回忌も七回忌も10000円~50000円が目安です。
【流れ】
流れは、一周忌でも三回忌でも七回忌でもほぼ変わりありません。ただ三回忌以降の場合は、納骨式を伴うケースはあまりありません。
- 法要ホールや寺院に集合
- 開始の挨拶~僧侶入場
- 僧侶による読経
- 僧侶退場
- お墓に移動
- 僧侶の読経~線香をあげる
- 納骨室に納骨する
- 食事をする場所に移動
- 食事
- 引き出物を渡して解散
法要は、故人のためのものであると同時に、残されたご家族のためのものでもあります。年末はいろいろと立て込んできますから、年末に法要の日程がかぶりそうなときは早めに計画を立てておきたいものですね。
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