故人をお見送りした後に迎えることになるのが「初盆」です。
ここでは初盆の基本マナーを紹介するとともに、「初盆ではだれを呼ぶか」「初盆に呼ぶ人の数を少なくしたい場合にはどうすればいいか」を解説していきます。
初盆とは?初盆の基本マナーと、「呼ばない」という選択肢をとるときの考え方
初盆(「新盆・にいぼん」ともいう。以降は「初盆」の表記に統一)とは、四十九日後に初めて迎えるお盆のことをいいます。たとえば2024年の2月3日に亡くなったのであれば2024年の7月もしくは8月が、7月15日に亡くなったのであれば2025年の7月もしくは8月が初盆となります。
自宅にご先祖様をお迎えして故人を供養するための法事であり、2年目以降のお盆よりも大々的に行われるのが特徴です。基本的には初盆のときには、家族だけに留まらず、親族や友人も呼ぶことになります。
ただ新型コロナウイルス(COVID-19)以降、感染症対策ということもあり、「簡単に初盆を行いたい」「身内だけで初盆をしたい」「精神的にも費用的にも余裕がないので、小さく行いたい」と考える人も多くなってきました。
上でもお話したように初盆は基本的には親族・友人を招いて行うものですが、「親族・友人を招かずに行うのはマナー違反」というものではありません。特に故人が「自分を送るときは静かに送ってほしい」と希望したのであれば、少人数の家族だけでお見送りをしてもよいでしょう。
例文つき!初盆に人を呼ばないと決めたときの伝え方
初盆は「招待された人が来るもの」ですから、招待をしないと決めたのであれば基本的に通知は必要ありません。ただ、気にしてくれている人や、本来は呼ぶべき立場の人がいるのであれば、案内をした方が丁寧です。パターン別の伝え方をお教えします。
※ここでは末尾を「出した日時+名前」としていますが、「出した日時+出した人の住所+出した人の名前」とすることもあります。
1.家族のみで行う場合
「一般的には呼ぶ立場にある人に対して、家族だけで初盆を行う旨」を伝えるときには、ハガキで案内するのが親切です。ハガキを出すタイミングは、「初盆を行う1カ月半ほど前」です。
初盆に招く場合の案内は、初盆の1か月程度前が一般的とされていますから、それに代わるかたちで届くように出すとよいでしょう。
「拝啓 初夏の候 皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます
七月に亡母〇〇の初盆の法要は 故人の生前の希望によりまして家族のみで慎ましく執り行わせていただきます
真に勝手ながら何卒ご承知おきくださいますようお願い申し上げます
生前故人が賜りましたご厚情ご厚誼に深く感謝申し上げます
敬具
×年×月×日 △△」
なおお供えなどもお断りする場合は、葬儀のとき同様、「御供物 御供花 御仏前につきましてはご辞退申し上げます」などのようにします。
2.後日、報告というかたちでとフォローする方法
「初盆は家族だけで行った。ただ、気にかけてくださる方もいたので、後日に挨拶をしたい」という場合は、ハガキで連絡をします。なおこの場合も、事前に電話などで家族だけで初盆を行う旨を伝えておくとスムーズです。
「拝啓 残暑の候 皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます
おかげさまを持ちまして 八月十三日に亡母〇〇の初盆の法要を家族のみで恙なく済ませましたことご報告いたします
生前故人が賜りましたご厚情ご厚誼に心より感謝申し上げます
本来は拝眉のうえご挨拶申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中にてご挨拶とさせていただきます
敬具 ×年×日△△」
3.香典 家族だけで新盆を行ったが、お供えを頂いた場合の対処方法
「家族だけで初盆を行ったが、香典・供物・供花を頂いてしまった」という場合もあるでしょう。
そのようなときは、お礼のハガキとともに、返礼品をお贈りします。なお返礼品の相場は、頂いた金額の3分の1程度が目安です。
ちなみに現在は郵送で済ませることが多いかと思われますが、直接面と向かってお礼に伺う場合は、ハガキは必要ありません。
「拝啓 早涼の候 皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます
亡母〇〇の初盆の法要に際しましてはご丁重なるご厚志を賜りましたこと深くお礼申し上げます
おかげさまを持ちまして初盆法要を滞りなく相済ませることができました
本来は拝趨のうえお礼申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中にてお礼ご挨拶とさせていただきます
敬具 ×年×日△△」
互助会を利用して「負担を減らす初盆」という選択肢も
葬儀ほどではないにしろ、初盆の準備はなかなか大変なものです。なぜなら多くの人にとって、初盆の手配をすることは初めてのことだからです。また、「初盆の参列をしたことはあるが、自分が喪家側・喪主(施主)となって行うのは初めてだ」という人もいるでしょう。
そのような人は、互助会のプランを使うことを検討しても良いかもしれません。
場所の提供
互助会を利用している場合、初盆の法要を行うための会館を紹介してもらえます。
現在の住まいは、「和室が非常に狭い。呼ぶ人を限定しても、10人が入れるかどうかすらあやしい」「そもそも和室がない」という場合もありますが、会館を利用すればこのような悩みもなくなります。また、人を招くために家を掃除しなければならないといった手間からも解放されます。
なお、仏壇周りの飾りつけは宗派によって違うものですが、これを正確に把握して飾っていくのは、個人ではかなり難しいものです。
しかしプロの互助会のスタッフにお願いすれば、間違いのない飾りつけをしてもらえます。
プランも多様化している
互助会の法要・葬儀プランは、時代とともに少しずつ変わってきています。新型コロナウイルス(COVID-19)以降は少人数向けのプランも積極的に提供されるようになり、「家族だけでの初盆」「家族+親族のみでの初盆」などのように、会員向けの簡略プランもよく取り扱われるようになりました。
「招く人の数は少なくしたいが、きちんとした法要を行いたい」「まだ落ち込みがひどくて、いろいろと準備するのはつらいのでプロの手に頼りたい」という人には、互助会の簡略プランがおすすめです。
返礼品の手配なども任せられる
故人が亡くなってから初盆までの期間は、最長でも1年程度、短い場合は2~3か月程度しかありません。
この期間に、葬儀を済ませ、四十九日法要を済ませなければなりませんし、ご家庭によってはお墓の購入~納骨までをも行う場合もあるでしょう。そのため、この期間は非常に忙しくなります。ほかの方からのお気遣いも頂く時期でもありますが、同時に喪家側からのお返しも必要になる時期でもあります。
そのなかで、初盆の手配を行い、返礼品や食事の手配を行うのはなかなか大変です。特に個人で返礼品を頼む場合、返却手続きなどの確認もしなければいけなくなります。食事も、お盆の時期であることもあり、予約が難しいこともあるでしょう。
しかし互助会に任せれば、これらの手続きもすべて一任できます。
まとめ
初盆を家族だけで執り行うことは、決して非常識な行為ではありません。特にコロナ以降は、初盆を縮小して行うご家庭も多くみられるようになりました。
ただ、事前にしっかり丁寧なご連絡を行い、頂いたご厚志に感謝するご挨拶をすることは、故人にとってもご家族にとってもご親族にとっても、また呼ばなかった人たちにとっても慰めとなるでしょう。
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