「私が死んだらどうなるの?」というシンプルな疑問に答えられる人は、そう多くありません。しかしこれをしっかり把握しておくことで、残されたご家族は格段に楽になります。
ここでは、「自分が死んだあとに家族がしなければならないこと」「そのときの負担を軽減するために、自分が事前にできること」を解説していきます。
亡くなる前に手続きをしておくことで、ご家族が楽になる
大切な家族が亡くなった場合、多くの会社では「忌引き休暇」としてまとまった休みを従業員に対して出します。法律で定められたものではないため会社によって日数は違いますが、おおむね1週間程度でしょう。
しかしどれだけ知識のある人で、かつ効率良く進められる人であっても、この忌引き休暇の1週間だけですべての作業をすることはまず無理だといえます。なぜなら、遺産関係の手続きなどでは「死亡した人の戸籍謄本」が必要になるのですが、戸籍謄本への死亡事実の反映はすぐにはなされず10日ほどかかります。このため、遠方に住んでいる人は忌引きをもらったとしても、何度かは仕事を休んで戻ることになるでしょう。
あくまで体感的なものではありますが、死後半年ほどはいろいろな作業で時間がとられるといえます。
ここではこのことを踏まえたうえで、「では亡くなった後の手続きと、その負担を軽減するために生前にできること」について解説していきます。
亡くなった後にご家族がしなければならないこと&そのためにできること
亡くなった後にご家族がしなければならないことと、そのためにできることについて解説していきます。
死亡届提出と火葬許可申請→葬儀会社が代行してくれる
日本ではほぼすべてが火葬でお別れをする形態をとっていますが、火葬(やその後の埋葬)を行うためには手続きが必要です。
- 死亡診断書の受け取り
- 死亡届と火葬許可申請書(火葬許可申請証)を出す
- 火葬許可申請書を受け取る
- 火葬許可申請書を火葬場に提出~火葬
- 火葬場から埋葬許可証を受け取る
という流れをとります。
これは一見すると難しいことのように想えますが、実際にご家族が行うのは、「亡くなった方の住所や氏名などの個人情報の記載」くらいです。現在は葬儀を介して葬儀~火葬(特に火葬に関しては業者を通さないと受付不可のケースが多い)を行うのですが、これらの書類の代行はほぼすべて葬儀会社が行ってくれます。また死亡届は医療機関から、埋葬許可証は火葬場から出されますから、戸惑うことはほとんどないでしょう。
葬儀→事前に葬儀会社と契約+エンディングノート
葬儀は、人によって「希望する形態」が大きく異なります。
しかし医療機関で亡くなった場合、ご遺体をそのままにしておくことはできず、数時間程度でご遺体を引き取らなければなりません。そしてご遺体を動かすときには、基本的に葬儀会社への連絡が必要です。そのため、ご家族は、大切な人が亡くなった数時間で、依頼する葬儀会社を決めなければなりません(※著しく対応が粗雑であったなどの場合は、ご遺体をお連れした葬儀会社以外のところに依頼をすることもできるので検討してください)。
また、亡くなってから通夜までの期間は、早い地域では1日、遅くても1週間以内となります。
ご家族が動揺していると、「故人の理想とする葬儀の実現」にまで頭が回らないこともよくあります。また、金額が高くなってしまう可能性もあります。
そのため、可能ならば、自分が元気なうちに、葬儀会社と打ち合わせをして、「理想の葬儀」を作り上げておきましょう。また、事前契約までしておくとさらに安心です。
契約した葬儀会社や内容については、エンディングノートに書いておきます。
年金や保険の停止→年金証書などを保管+エンディングノート
年金や保健は、受けていた人が亡くなった場合は停止する必要があります。
厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内に、年金相談センターへ相談に行きます。死亡届のコピーおよび本人の年金証書を持参していきましょう。
なお、日本年金機構にマイナンバーを登録している人については、このような手続きをする必要はありません。
そのため、ご家族の負担を少なくしたいのであれば、
- 年金証書などを分かりやすく保管しておく
- マイナンバーを事前に日本年金機構に登録しておく
のいずれかの方法をとったうえで、その旨をエンディングノートに記しておきましょう。
銀行口座について→エンディングノートにまとめておく
契約している銀行口座については、
- 名義は残っているものの、実際には動かしていない→解約する
- 実際に今使っているもので、通帳などがある→わかりやすい場所に保管して、エンディングノートに記す
- 実際に今使っているが、オンライン銀行で通帳がない→エンディングノートに記す
の方法をとります。
なお、人が亡くなるとその口座は凍結します。このときに、「凍結前にお金をおろして葬儀費用に使う方法」などが推奨されることがありますが、これは相続の面から考えるとリスキーな選択肢です。
そのため、「口座が凍結された後であっても、どこにどんな資産があったかを辿れるようにしておく方法」を取る方が確実です。
名義変更(不動産・車など)→生前にリスト化+証明書などを保管
人が亡くなると、その人の持っていた不動産や車も資産として扱われます。そのため、生前に持っている資産をリスト化し、証明書などを分かりやすい場所に保管しておくことが求められます。
また、もし可能であれば、生前に「今後も使うことはないであろう資産」を売却・現金化しておくと、残された人がぐっと楽になります。名義変更や売却は、残されたご家族の手を大変煩わせる作業だからです。
クレジット・携帯・公共料金などの解約→契約しているサービスをリスト化+不要なものの事前解約
クレジットカードや携帯電話、公共料金、サブスク関係については、事前に不要なものは解約しておきます。こうすることで残されたご家族の負担も減らせますし、場合によっては「無駄に支払っていた年会費や月会費」を減らすこともできます。
「現在まだ使っている」というものに関しては、リスト化して、エンディングノートに書いておきます。連絡先までを記しておければ、さらに理想です。
なお、SNSなどをしている人がいる場合は、これも記します。
「高齢であり、事故のリスクもあるので、もう車は使わない」という勇気のある決断ができるのであれば、この段階で運転免許証の返却も行います。
相続関係→遺言書の作成
相続関係については、遺言書をしっかり作成しておきます。リスト化まではエンディングノートでもできますが、エンディングノートに記せるのは「〇〇は、✕✕さんに渡したい」などの「希望」までです。エンディングノートは法的拘束力を持ちませんから、確実に「〇〇を✕✕さんに渡したい」という場合は、遺言書を作る必要があります。
なお遺言書は、正しい形式でなければその効果を発揮しません。
自筆でも書けないことはありませんが、効力をきちんと確実に発揮させたいと考えるのであれば、弁護士などの専門家に頼りましょう。
遺品の整理→終活段階で整理、荷物を減らしておく
一軒家に住んでいる人が亡くなった場合、出るゴミの量も膨大なものになります。また値打ちが「あるかもしれないもの」は鑑定なども必要になるため、非常に時間がかかります。
そのため、終活の段階である程度整理して、荷物を減らしておくことが推奨されます。
特に、「壊れた古い電化製品や粗大ごみ」などは、新年度に入る前に処分してしまいましょう。
なおこの段階ならば、自分の意志で、自分の物(宝石など)を人に確実に譲ることもできます。
埋葬→事前に契約が望ましい、希望はエンディングノートに
埋葬場所・埋葬方法の希望を叶えたいのであれば、事前に契約するのが望ましいといえます。
たとえば、「樹木葬霊園の〇〇区画を買った」「永代供養墓を用意する」などです。
また、ここまで進められない場合でも、エンディングノートに「安く埋葬してほしいので永代供養墓で合葬してほしい」「婚家の墓ではなく、自分の父母が眠る墓に埋葬してほしい」などの希望を記しておくと、残された人のとまどいを少なくできます。
「私が死んだらどうなるの?」という、素朴にして深遠な疑問は、だれもが抱くものです。
ただ多くの人は「ご家族に迷惑をかけたくない」といった気持ちがあるでしょう。このような気持ちを満たすためには、事前の準備が何よりも大切です。
また、準備には、専門家である互助会のアドバイスもぜひ利用してみてください。
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