2026年の制度改正に注⽬|相続·保険·終活の「変わるポイント」完全ガイド

2026年の制度改正に注⽬|相続·保険·終活の「変わるポイント」完全ガイド

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私たちの生活の基本ともなる「法律」は、不動のように見えて、実は時代とともに細かく(あるいは大きく)変更されているものです。たとえば、相続や贈与のところに注目してみても、「10年前に父が亡くなったときの手続きを踏襲して、今年亡くなった母の手続きをしようとしたら、法律が変わっていた」ということもありえます。
2026年には、相続や贈与に関する法律に改定がなされました。今回は、「2026年の制度改正」に注目し、何がどのように変わったのかを解説していきます。
※取り上げるのは、変更になった点でも、「特に多くの人が影響を受けるであろう点」です。
※一部、改定前・改定されないままの法律の内容も含みます。
※実際の相続・贈与などが生じた場合は、専門家に都度聞くのが安心です。

相続

2026年の相続に関する法改正で、中身がもっとも大きく変わったのは事業承継税制です。
ただこのあたりは事業をされていない方にはほぼ関係がないため、多くの人に関係する「生前贈与のルールの変更」についてのみ取り上げていきます。

相続税を軽くするための方法として、「生前贈与」がありました。
生前贈与とは、文字通り、生きているときに人に対して財産を渡すものです。
これには、

  • 本人の意思に基づき、本人が渡したい相手に、自由に財産を渡せる
  • 生前贈与で渡された財産には、相続税はかからない
  • かつ、生前贈与で渡す金額が一定以下(年間贈与110万円以下)であれば、税金がかからない

といったメリットがあります。そのため、資産を持っている人は、元気なうちから生前贈与というかたちで、渡したい人に資産を渡してきました。

ただし、この生前贈与には「期間の制限」もありました。
生前贈与は、「亡くなる3年よりも前に贈与された財産に関しては、相続税の対象外とする」という決まりがあったのです。つまり、「もう病気で長くないから、生前贈与でお金を渡してしまって、相続税の支払いを免れよう」と2023年に考えて2024年に死去した場合でも、2023年に生前贈与した金額には相続税が課せられたわけです(※贈与のときに贈与税を払っていた場合は、二重課税にはならない)。

これは、いわゆる「財産移し」「相続税からの逃げ」を許さないために作られたものです。

今回の法律改正でこれがさらに厳しくなりました。今までは「亡くなる3年より以前に渡されたものならばよい」とされていたのですが、今後は「7年前」となったのです。
ただ多少の緩和策は用意されていて、「亡くなる3年前までに贈与された金額は、そのまま相続税の対象となりうるが、亡くなる4年前~7年間に贈与された金額については、100万円を引いた金額が相続税の課税対象となる」になりました。

ちなみに、これとは別で、「結婚や子育て資金を支援するための一括贈与については、非課税とする」という制度は続いています。これはカテゴリーによって上限額が異なりますが、最大で1500万円です。
この制度は2025年で終わるはずでしたが、2027年まで継続されることになりました。そのため、子世代・孫世代の援助をしたい人にとっては、使いやすい制度が引き続き利用できることになるといえます。

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【不動産関係】

不動産関係の法律は、その施行日などがかなり分かりにくいのですが、ここでは必要となるいくつかの重要な点をピックアップしてお話ししていきます。

不動産の登記について

日本では現在、「所有者不明の土地」が多く出てきています。だれが持っているか分からない、だから処分することも有効活用することもできない……といった、「困り物の土地」です。
これを避けるために、2024年から、「相続などで不動産を取得した人には、相続登記を義務付ける」と国からの方針が出されました。
これは、

  • 不動産の取得を知ってから3年以内
  • 遺産相続人が複数いて、話し合い(遺産分割協議)を行わなければならない場合は、話し合い後3年以内

に登録が必要です。これを怠ると、10万円以下の過料が科せられます。

また、相続登記が義務付けられる前に相続した不動産であっても、2027年までに登録しなければならないとされました。
さらに、2026年からは、たとえ相続に関するものでなくても、不動産の所有名義が変わった場合はその名前や住所を2年以内に変更しなければならなくなりました。
これを怠った場合、5万円以下の過料が科せられます。

区分所有法について

「現在マンションに住んでいるが、住居者同士の話しが上手くいかない」「建て替えが必要なのに、会議の席に出てこない人が多い!」という悩みを抱える人は、決して少なくありません。

このような人のために、「区分所有法」があります。

区分所有法とは、マンションにおける共同生活や管理などについて定められた法律です。この区分所有法も、2026年に改正されました。

かつては、「大きな修繕が必要で、そのための賛否の決を採りたいのに、決められた日にだれも出てこない!」「欠席者が多すぎて、決を採れない……」ということがありえました。
しかし2026年の法改正では、「その日の出席者による多数決で決めてもよい」と定められました(一部の工事などは例外)。
また、かつては、「耐震性に問題があったり、火災に弱かったりするので修繕したい」という場合でも5分の4の賛成が必要でしたが、これが4分の3に引き下げられます。
さらに、マンションの再生(建物の取り壊しなども含む)については、全員の賛成が必要でしたが、これも5分の4の多数決で決行できるようになりました。

区分所有法は、「相続」というよりも「住みやすさ」「終活」に関わる部分の法改正です。しかしこれによってマンションの運営が円滑に進むようになり、より安全な環境のなかで暮らせるようになるのは大きなメリットです。

プラスアルファで知っておきたい「所有不動産記録証明制度」

さて、不動産関係の話にプラスして、知っておきたい制度がひとつあります。
それは、「所有不動産記録証明制度」です。

これは、法務局に問い合わせることで、問い合わせた人や、故人が所有していた不動産を一覧で知ることができるようになるものです。
かつて多くの人を悩ませた、「亡くなった父が持っていた不動産、どこの何なのか分からない……書類もそろっていない、どうやって調べよう……」の悩みが、これを使えば一度にリストで分かるようになるのです。

なおこの所有不動産記録証明制度は、「変更になる」のではなく、「新しくスタートするサービス」です。

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【保険・年金】

「106万円の壁」は影響を受ける家庭も多く、メディアをにぎわせました。
ただここでは、老後の生活に直接関わってくる保健・年金について詳しく解説していきます。

基準額引き上げ、年金制度改革

「年金停止基準額の引き上げ」によって、「老齢厚生年金の月額」+「毎月の賃金+過去1年間の賞与÷12」が、62万円を超えると、超えた分の金額の半分が年金からの支給停止扱いとなります。ちなみにこの基準は、以前は「48万円」でした。

これは、「本来はまだまだ働ける高齢者が、年金の支払い停止・減額処分を受けるのが嫌で、働き控えをしている」という現状を打破するために作られたものです。
このため、「働ける時間・稼げる金額が大きくなっても、損が出すぎないようになる」この制度は注目されています。
定年を迎えても、やりがいや給料のために現役世代並みに働きたいという人には有用性が高い改革です。

ちなみに62万円以下ならば減額されることは今も昔もないので、「それほどハードには働きたくない」という人にも寄り添い続けられる制度といえます。
「年金が減らされる」という危機感を強く持つ人もいますが、2026年の改正はむしろ増える可能性も考えられます。

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生命保険

生命保険控除を受けられるものは、

  1. 一般生命保険
  2. 介護保険
  3. 個人年金保険

があります。それぞれに上限額が設けられていて、かつ3つを合計したときの金額に制限もあります。

生命保険は、人の生命を守り、「万が一」のときに本人と家族を支えるためにあるものです。
その性質上、生命保険は所得税・住民税の控除対象(上限額あり)とされてきました。

また、2026年にはこの制度も見直しをされました。23歳未満の家族親族を扶養している家庭に対して、控除額の上限を引き上げたり、適用期限が伸びたりする制度が適用されたのです。

少子高齢化が進む今、「大学生の子どもがいるが、自分自身はもう60歳が見えている」という人も多いものです。
老後の生活を考えて、今から保険の見直しをしたり、控除額に目を向けたりすることは意味があることだといえるでしょう。

プラスアルファ 106万円について

冒頭で取り上げた「106万円」についても簡単に触れていきましょう。

かつて、「収入が106万円を超えたら、社会保険に加入しなければならない」とされていました。週に20時間以上働き、年収が106万円以上で、従業員が51人以上の事業所で働いていて、さらに勤続期間が2か月以上の人は、社会保険に加入しなければならなかったのです。これによって、主夫・主婦の働き控えが問題になっていました。
しかし2026年には、この「106万円の壁」が撤廃されます。

ただし、「130万円の壁」は残り続けます。
たとえ週に20時間以下しか働かなくても、年収が130万円に達した時点で自身で社会保険料を払わなければならなくなります。
「扶養に入りつつ、少しだけ働きたい」という人は、変更点を踏まえたうえで、「どこまで働けるか」を考えていかなければなりません。

終活・高齢者支援

最後に、「法改正そのもの」に関わる話ではありませんが、非常に重要な「終活・高齢者支援」について簡単に解説していきます。

基本の終活

終活の基本は、

  • エンディングノートの作成(医療・介護の希望/墓や葬儀の希望/家族へのメッセージ/財産の分配の希望を書くノート※法的拘束力なし)
  • 不動産や動産の整理、リスト化、可能ならば処分
  • 不用品を捨てる
  • 連絡先のとりまとめ
  • 遺言書の作成(※法的拘束力あり、確実に遺産を希望通りに分配したい場合は必須)

を行うことです。

初めから大きなところから行おうとするとつまずいてモチベーションが下がるので、まずはできるところから始めましょう。

契約でサポートを受ける

生前あるいは死後に確実にサポートを受けたいのであれば、事前に契約を結んでおくことが推奨されます。

  • 任意後見制度・・・「現在はまだ認知能力に問題はないが、将来的に認知症などを患ったときにサポートしてくれる人がほしい」という人のための制度です。預金の管理や、公共料金の支払い、入院手続きなどをお願いできます。
  • 成年後見制度(法定後見制度)・・・「すでに認知能力が低下した人を、サポートしてくれる人を選ぶ」という制度です。こちらも、預金や不動産の管理、保険関係の手続きなどができます。
  • 死後事務委任契約・・・「自分が亡くなった後に、さまざまな手続きをしてほしい」という人のための制度です。火葬の手続きや残されたペットの手続きなどはできますが、遺言書の執行はできません。
  • 遺言執行・・・「自分が亡くなった後に、遺言を執行してほしい」という人のための制度です。死後事務委任契約とは異なり、遺言書に基づく財産の相続の手続きができます。

なおこれらの立場には親族などもなれますが、安全性を考えるのならば、士業の資格を持つ人に頼んだ方がよいでしょう。彼らはプロであるため、迅速に物事を進めてくれますし、損得感情なしに冷静に事態にあたってくれます。

ちなみに「おひとりさまの終活(特にお子さんなどもおらず、親族との交流もない場合)は、これらの制度を積極的に活用することが重要です。また国も、実りのないご高齢の方の支援制度などを設けているので、彼らに相談してみるのもよいでしょう。

デジタル遺産について

かつてはなかったもので、今現在多くの人が利用しているものとして、「デジタル」があります。これも遺産となりえます。

デジタル遺産には、大きく分けて2つの種類があります。

  1. 金銭面に関わってくるもの
  2. 精神的な思い出に関わってくるもの

1の代表例として、ネットバンキングや、スマホ決済サービスなどがあります。これらは紙媒体のものと比べて見落としやすく、またご本人がパスワードなどをかけて保存しているケースも多いので、対応に注意が必要です。可能ならば、生前、特にまだ認知能力が落ちていないうちにリスト化しておくように促すとよいでしょう。

精神的な思い出に関わってくるものとして、「スマホやパソコンに残っている写真や動画」が挙げられます。
これらは、データを共有できるクラウドサービスなどを利用して、家族で共有しておくとよいでしょう。データ破損などのリスクにも備えられます。

なお、「故人がなんらかのサブスクに加入していた」というケースもあるので、ご家族側となった際には、

  • スマホの通知
  • 封書
  • 月ごとの通帳の定額引き落とし

も注視しておく必要があります。

相続や不動産、保険・年金に関わる制度は日々見直され、改正されています。10年前と今では大きく変わるところもあるので、事前に確認しておきましょう。

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