子どもがいないご夫婦や独身者の場合、そうではない人に比べて、「終活」の重要性がさらに大きくなってきます。なぜなら、「最低限の面倒を見る人」がいないからです。自分の判断力が落ちてもサポートしてくれる人がいませんし、亡くなった後の火葬~遺骨の埋葬にも手間取ります。
最後まで自分らしくあるために、子なし夫婦や独身者はしっかりと終活を行う必要があります。
「頼れる仕組み」を知ろう
子どもがいない夫婦や独身者にとって、もっとも大きな心配事となるのは、「自分の認知能力が落ちたときに、支援してくれるサービスを確保できるかどうか」「亡くなった後の財産などの管理をお願いできるところがあるかどうか」でしょう。
このような心配事を解決するための方法として、以下のようなものが挙げられます。
身元保証サービス
身元保証サービスとは、「その人の身元を保証してくれるサービス」のことです。
日本では、入院や、高齢者施設への入居の際に、身元保証人を立てることが求められます。基本的には配偶者や成人済みの子どもがこの役目を担うことになりますが、
- 独身者である
- 配偶者はいたが、配偶者に先立たれた(あるいは配偶者が身元保証人としての力を持っていない)
という場合は、身元保証人がいないという事態になり得ます。
そのときに助けとなるのが、「身元保証サービス」です。
身元保証サービスは、入会金や年会費、事務手数料などを徴収する代わりに、身元保証人が必要となった場合保証人になってくれます。また、高齢者をメインターゲットとしたものの場合は、緊急連絡先として指定することができるサービスが付帯していたり、24時間365日いつでも健康相談などを受け付けてくれるサービスがついていたりしています。
任意後見制度
「今は大丈夫だが、将来、認知症になって判断力が失われたときに頼れる人がいない」と不安を抱えている人は、任意後見制度の利用を検討するとよいでしょう。
これは、「自分が認知症などになって判断能力が低下もしくは失われたときに支援してくれる人を、健康なときに確保しておく制度」のことをいいます。自分自身に判断能力がある状態のときは機能せず、認知能力に衰えが見られてから効果を発揮するものです。
任意後見制度は、自分自身の意志で後見人を選ぶことができるのが最大の特徴です。また、「何を支援してほしいか」の内容(主に財産管理や介護・医療など)についても、自分で選べます。さらに、後見人に選んだ人がきちんと支援を行っているかどうかも、家庭裁判所が専任した人が監督してくれます。
非常に便利な制度なのですが、任意後見制度は一度設定してしまうと取り消しができないため、「だれを後見人にするか」はしっかり考える必要があります。不安な場合は、弁護士などの士業の専門家を選ぶとよいでしょう。
なお、すでに認知能力が低下している人の場合は、「法定後見制度」を利用することになります。これは本人の意志ではなく家庭裁判所が後見人を設定するものです。
死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、「亡くなった後の手続き」をお願いできるサービスです。
たとえば、
- ご遺体の引き取り
- 役所関係の手続き
- 葬儀や埋葬
- 医療費や契約関係の清算
などをお願いできます。
ただし、死後事務委任契約には、相続関係の手続きや口座の解約の権限などはありません。また、死後事務委任契約を結んでいた場合でも、生前に財産の管理をすることはできません。
信託
信託とは、「信頼できる人に自分の財産を託して、自分が定めた目的のために運用してもらうサービス」のことをいいます。
老後だけでなく比較的若い世代でも利用できますし、子どもがいるご家庭でも利用できます。ただ、いわゆる「おひとりさま」になるであろう人の場合は、それに特化した信託を利用することを検討してもよいでしょう。
「おひとりさま」に特化した信託は、
- 生前没後両方での財産管理
- 高齢者施設の案内
- 弁護士の紹介
なども行ってくれるものもあるからです。
遺言書の作成
子どもがいないご夫婦の場合は、あらかじめ遺言書の作成をしておいた方がよいでしょう。
遺産は、特に定めない場合は、下記のように引き継がれます。
【ケース1】
亡くなった人:夫
配偶者:あり
夫の親:父母ともにいる
夫のきょうだい:いない
→配偶者が3分の2、夫の母親が6分の1、夫の父親が6分の1
【ケース2】
亡くなった人:夫
配偶者:あり
夫の親:いない
夫のきょうだい:2人いる
→配偶者が4分の3、夫のきょうだい1が8分の1、夫のきょうだい2が8分の2
【ケース3】
亡くなった人:夫
配偶者:あり
夫の親:いない
夫のきょうだい:2人いたが、1人は死亡
夫の甥姪:死亡したきょうだいに1人子どもがいる。存命中のきょうだいに2人子どもがいる。
→配偶者が4分の3、夫の存命中のきょうだいが8分の1、夫の死亡したきょうだいの子どもが8分の1。存命中のきょうだいの子ども2人には相続権なし。
ただし、遺言書で残しておけば、この比率を変更することができます。
たとえば、「配偶者にできるだけ多くの遺産を渡したい」ということであれば、ケース1では配偶者が6分の5(夫の母親12分の1、夫の父親が12分の1)、ケース2とケース3では配偶者がすべての財産を持つことができます。
「この人に残したい」という希望があれば、正式な書式にのっとった遺言書を作っておくべきです。
「最後の住居」の選択肢
「最後の住居」の選択肢についても見ていきましょう。
永代供養墓
永代供養墓とは、「一定の年数が経った後にお墓を更地にして、合葬にする」という形態です。
永代供養墓の多くは、「最後に埋葬した人から数えて、〇年経ったら合葬にする」としているため、しばらくは夫婦2人で眠り、引き継ぐ人やお参りの人が少なくなってきたら合葬にするといったことができます。
自然葬
山や海にご遺骨を散骨する自然葬は、その形態上、墓守がいなくてもまったく問題のない形式だといえます。
自然のなかで眠れるということで、自然を愛する人からも支持を多く集めているものです。
なお、樹木葬の場合は、「自然葬で、個別スペースで眠る」「初めから合葬にする」の2つの方法から選べます。
合葬
1つの大きな墓石あるいは樹木、また仏像などの下に、ほかの方のご遺骨と眠るのが「合葬」です。
一部のごく特例を除き、埋葬段階で骨壺からご遺骨を取り出し、ほかの方と混ぜて埋葬します。
墓地運営者が管理するため、お墓の手入れをする必要がありません。また、もっとも費用を抑えられる埋葬のかたちです。
「相談できる場所」の確保を
ご高齢かつ一人になってしまった人にとって、もっとも大切なのは、「相談できる場所の確保」です。相談できる人がいれば詐欺などの犯罪に巻き込まれにくくなりますし、老後・死後の世話の助言も受けられます。
親戚
親戚、特に自身よりも年の若い親戚と交流できるのであれば、それがベストです。役所関係の手続きや火葬の手続き、埋葬の手続きなども面倒を見てもらえることでしょう。関わる範囲が最小限であっても、「最低限のことはしてもらえる」という安心感は非常に強いものです。
甥や姪が頼りになるでしょう。また、彼らにとってもメリットがあるように、遺言書などで彼らに遺産を託せるかたちにしておくとなおよいといえます。
弁護士などの専門職
弁護士などの専門職のもっとも大きな強みは、「法律的な知識をもって、しっかりとサポートしてくれる」という点にあります。特に弁護士は対応できる業務の範囲も広く、非常に心強い味方となってくれるでしょう。遺産関係でトラブルが起きそうな場合でも、彼らの力を借りれば乗り切れるはずです。
また有効な遺言書の作成のサポートや、後見人としての活躍も期待できます。
ただ専門職であるために、依頼料が高くなるのが大きなデメリットです。
互助会
互助会は、葬儀の相談にのってくれる心強い存在です。事前に加入しておくことで、葬儀費用の積み立てができますし、安く葬儀を執り行えます。
また互助会によっては、高齢者施設の紹介をしてくれたり、埋葬方法の助言をしてくれたり、不動産売却や遺品整理、相続の相談にのってくれたりするところもあります。
互助会と繋がることで、「未来の不安」を解消することができるのです。
セリエンスでは、
- 遺品整理
- 不動産売却
- 仏具やお墓、散骨などの相談
- 高齢者施設の紹介
- 相続の相談
を受け付けています。
贈儀計画コラムでは、人生の儀式における皆さまの悩みをサポート致します。
葬儀・介護・相続・お墓・結婚などそれぞれの課題を、情勢に合わせ専門のサポートスタッフがいつでもご相談を承ります。まずはお気軽にご相談ください。
冠婚葬祭セリエンス(贈儀計画コラム運営企業)
電話番号:0120-34-5183 受付時間:9:00-17:00
インターネットでのお問い合わせは24時間承っております。

