「終活」という言葉の認知度は90%を超え、知らない人がいないといえる言葉となりました。
ただ、終活はどうしても面倒さを伴うものであるため、どうしても先延ばしにしてしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな人のためにここでは、「終活をしないとどうなってしまうのか」「終活をしないことのリスク」について解説していきます。
終活をしないことによる5つのリスク
終活をしないことには、下記の5つのリスクがあります。
- 自分の希望とする終末期期を過ごせなくなる
- 遺産面でもめやすくなる
- 自分の気持ちを伝えられなくなる
- 葬儀やお墓が不満足なものとなる
- ペットや家が取り残される
一つずつ見ていきましょう
・自分の希望とする終末期を過ごせなくなる
「延命治療を拒否したい」「できる限り延命治療を受けたい」「痛みだけをとって、最後は静かに迎えたい」「自宅に帰りたい」などのような、終末期医療における希望は、本人の意思が一番優先されるものです。しかし終活をしておらず、このような意思の表明をしていなかった場合は、自分の意思が反映されていない(あるいは反映率が低い)終末期医療を受けることになってしまいかねません。
・遺産面でもめやすくなる
終活をしていないことのもっとも大きなデメリットとして、「遺産面でもめやすくなる」があります。
遺産は、基本的には法定相続人に引き継がれます。たとえば、配偶者と子どもがいるのであれば、配偶者と子どもが引き継ぐことになります。
しかし、
- ほかの第三者にお金を残したい
- 借金がある
- 介護をした実子Aと、介護をしていない実子Bの遺産相続割合が同じ
などの場合は、非常にトラブルが起きやすくなります。特に②の場合は危険で、相続によってプラスになるどころかマイナスを背負いかねません。また、遺産相続の問題がこじれることで、今まで仲の良かった家族同士がいがみ合うことすらあります。
遺産はどんな種類で、どんなものがあるのか。
通帳や権利証はどこにあるのか。
だれに、どのようなかたちで遺産を渡したいのか。
このあたりをしっかり明文化しておく必要があります。
なお、エンディングノートは終活のマストアイテムのうちのひとつですが、エンディングノートに遺産の分け方を書いていたとしても、それは単なる「希望」に過ぎず、法的拘束力を持ちません。法的拘束力を持たせたければ、遺言状の作成が必要です。
・自分の気持ちを伝えられなくなる
終活のエンディングノートでは、自分の気持ちを伝えようというページがあります。お世話になった人、感謝している人に、自分の素直な気持ちを書くのです。またここでは「エンディングノート」としましたが、終活をしていくなかで、直接お会いできる人がいるのであれば直接、手紙を送れる人がいるのであれば手紙で連絡してみるのもよいでしょう。
人が亡くなると、さまざまな専門業者や士業が関わってきます。彼らはプロの視点であなたの旅立ちをサポートしてくれますが、彼らは当然「本人」ではありません。あなた自身がしておくべきだったこと(財産の処分の手続きなど)を代わって行ってはくれますが、あなたの気持ちを代弁することはできません。
「自分の気持ちを伝えられること」「ほかの人では代わることが決してできない、自分の想いを伝えられること」も終活のメリットです。
・葬儀やお墓が不満足なものとなる
人は一生で3回、主役になるといわれています。それが「生まれてきたとき」「結婚式のとき」「葬儀のとき」です。このなかで自分がしっかり覚えていられるのは結婚式のときだけですが、現在は「自分らしい旅立ち」を思い描いて、葬儀の内容を考える人も多くなっています。
たとえば、「花に囲まれた葬儀にしてほしい」「できるだけお金をかけないでほしい」「食事をおいしいものにしてほしい」などです。
また、お墓(埋葬場所および埋葬方法)についても、現在は多様化しています。先祖代々のお墓に入るだけでなく、
- 海洋散骨
- 樹木葬
- 合葬墓
- 永代供養墓
- 納骨堂
- デザインにこだわったお墓
など、その選択肢は実にさまざまです。
お墓は、人生で最後に住むことになる住居です。終活をしっかりしておき、自分の理想の埋葬場所・埋葬方法を指定しておけば、安らかに眠れることでしょう。ちなみに亡くなる前にお墓や仏壇を買っておくと、相続税の面で有利になることがあります。
終活をしないということは、「人生の最後の舞台や、人生の最後の住居を、自分でカスタマイズしないこと」とイコールなのです。
・ペットや家族が取り残される
人は亡くなるとき、必ず何かを残していきます。その代表例として、「ペット」「家族」が挙げられます。
あなたが亡くなった後のペットは、同居のご家族がいれば彼らが世話をしていくことになるのが一般的です。
しかし、
- 家族が遠方に住んでいる
- 同居家族が激務も激務であるため、面倒を見られない
- 同居家族がアレルギーを持っている
などのケースで、そのまま飼育し続けることが難しいこともあります。ご家族は精一杯ペットの行先を探すことと思われますが、終活をしておらず無計画なままだと悲しい結果になってしまう可能性もゼロではありません。
また、「家族」も取り残されます。最後に取り上げるこの「家族の心情の問題」は、終活の必要性の高さを、私たちに伝えてくるものです。
家族は、大切な人が亡くなった直後に、ご遺体の安置場所や通夜~葬儀~火葬の段取りをしなければなりません。その後には大量の書類が待っていますし、遺言書を探したり、埋葬方法を考えたりしなければなりません。
また、並行して財産を確認し、どれくらいの財産があるのか、マイナスがないのかを確認しなければなりません。
賃貸物件に住んでいたのなら解約と掃除と整理が必要ですし、ライフラインを止める手続きをするなどの対応が必要です。
「一軒家に一人で住んでいた」という場合はさらに大変です。荷物も多いものですし、遠方に家族が住んでいるのであれば空き家問題もあります。
終活をしていなかった場合、傷心の家族にこれらがすべてのしかかることになるのです。
終活は、「まずはここから」が大事
このように、終活をしていないことによって起こるトラブルは非常に多くあります。
ただ、「終活をしようにしても、どこから始めたらいいかわからない……」という人もいるでしょう。
その場合は以下の手順でステップアップしていってみてください。
- エンディングノートを買う
- 書ける場所を書く(メッセージや、終末期医療の希望などが書きやすい)
- 使っていないサブスク契約を解約する、葬儀会社や墓地の資料を取り寄せる
- 通帳や土地の権利書、印鑑の場所を確認して、財産をリスト化する
- 葬儀会社に足を運んで、自分の葬儀の希望や実現可能性、金額について聞く
- 希望の墓地などに見学に行く
- 葬儀会社で希望のプランを作ってもらう。生前契約も可能だが、プランを作ってもらうだけで構わない
- 希望の墓地と契約、海洋散骨を希望の場合は業者を決めておく
- 可能なら、墓地および墓石の購入、プランの契約
- 財産の処分をする。特に「田舎にあり、使っていない土地」「親から引き継いだままになっている空き家」などのように、ご家族が持て余してしまいがちなものは整理をしておくとありがたがられる
- 遺言書などを作成する。公正証書のかたちにしておくとなお望ましい
※各段階で決めたことをエンディングノートに追記していく
また、折につけ、ご家族に
- 終末期期医療
- お墓、墓地
- 葬儀
の希望を話しておくと、ご家族にも覚悟ができます。
「死」自体は突然訪れるものであり、ご家族に衝撃を与えるものです。しかししっかりと準備をしておくことで、その衝撃をやわらげたり、負担を軽くしたりはできます。そのために必要な「終活」を、今から始めてみませんか。
なお、専門家である私たちは、「どこから始めたらいいかわからない」「終活を始めたけれど、つまずいている」という方々のお手伝いをしています。
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