大切なご家族が亡くなったとき、人は非常に混乱します。人が亡くなってから48時間以内に行わなければならないことはとても多く、あわただしいものです。しかし事前に「何をしなければならないか」を知っておくことで、そのような混乱はある程度減らすことができます。
ここでは、「人が亡くなってから48時間以内にしなければならないこと」をお教えします。
なお下記では、「父は20年前に他界。同居していた長男が喪主をするが、ほかに妹と弟がいる。仏式で葬儀を行う」という状況を想定しています。
亡くなる直前~亡くなってからすぐに行うこと
1.【喪家・近しい親族】病院に駆けつけ、臨終の場に立ち会う
亡くなる人のうち、ほぼすべての人は病院で亡くなります。
- 入院中あるいは病院にすでに搬送済みで、「今はまだ息があるが、そろそろ亡くなる」という場合
- すでに亡くなっていた場合で、病院に運ばれていた場合
に連絡を受けることになりますが、いずれにせよ、すぐに向かうことが大切です。
なお、病院や施設からの連絡は、基本的には「緊急連絡先」として指定された人のところまでに留まります。ほかにご臨終の場に立ち会わせたい人がいるなら、個別に連絡を行います。
亡くなったら、医師から死亡診断書を受け取ります。
2.【喪家】葬儀会社に連絡をする
病院にはずっとご遺体を置いておくことはできませんし、ご家族の車でご遺体を運ぶことや、ご家族のみで火葬を行うことは現実的に不可能です。
そのため、できるだけ速やかに、葬儀会社に連絡をします。葬儀会社は365日24時間いつでも依頼できます。事前に候補を決めておくと非常にスムーズです。
このときに電話をした葬儀会社を基本的には使うことになりますが、搬送段階などで著しく失礼な態度をとられた場合などは、ほかのところに切り替えることもできます。
3.【喪家】ご遺体の安置
葬儀会社の車で故人をお連れし、安置します。安置場所の選択肢としては、「自宅」「葬儀会場」があります。
葬儀会社は、この時点で決定します。基本は搬送してきた葬儀会社にそのまま依頼することになるので、時間帯によってはこのまま葬儀の打ち合わせに入ることもあります。
4.【葬儀会社】死亡届を提出する
死亡届を提出していないと、火葬や埋葬を行うことができません。そのため、当日あるいは翌日に、死亡届を役所に提出しにいきます。なおこの提出作業は葬儀会社が代行で行うので、喪家が行うのは、葬儀会社に死亡届を渡すことまでです。
5.【喪家】葬儀の打ち合わせ
本格的に葬儀の打ち合わせを行います。
- 日付
- 葬儀の規模および葬儀の形式
- 宗教と宗派
- 予算
- ほかの希望
を考えていきます。
| 呼ぶ人 | 日数 | 規模・費用 | 特徴、メリット | |
| 火葬式(直葬) | 同居家族など、極めて限られた範囲 | 半日 | もっとも小さい。20万円~ | ・火葬炉の前でお別れだけをするもの
・宗教的儀式を含まない。ただし、火葬炉の前で僧侶1人に読経してもらうなどは可 ・もっとも費用が安い |
| 一日葬 | 近しい親族など、限られた範囲 | 1日 | 小さい。30万円~ | ・通夜をせず、葬式と火葬だけをするもの
・宗教的儀式を入れるかどうかは、ご家族の意向による ・時間的体力的負担が少ない |
| 二日に渡る葬儀で、家族葬 | 親族や、親しかった友人など、声をかけた範囲(一般的に、火葬式や一日葬よりも範囲は広い) | 2日 | やや小さい。50万円~だが、宗教的儀式や食事をする場合は100万円近くかかると考えておく方がよい | ・近しい人だけで見送れて、葬儀のかたちも整えられる
・ご家族の意向によって、費用や規模には少し差が出る |
| 一般葬 | 来た人を全員受け入れる。おくやみ欄などで、亡くなったことを知らせることもある | 2日 | 普通。100万円~だが、宗教的儀式などを含む場合や、来る人の数が多い場合は200万円~400万円ほどになることもある | ・もっとも一般的なかたち
・一度に多くの人がお別れに来るので、「お別れができなかった人」「後から弔問に来る人」を少なくできる ・自由度が極めて高い |
| 社葬など | 社員や取引先関係者なども受け入れる | 2日、ケースによっては日を分けて4日 | 500万円~
1000万円を超えることもある |
・会社が施主、ご家族が喪主となり、会社が費用を出す
・会社や業界において多大な功績を残した人や、著名人が行う ・社葬の日とは別に、ご家族だけでお見送りをする日や、ファンとのお別れ会などが行われることもある |
※一日葬や火葬式でも「連絡をしていない友人や親戚」を受け入れることもできなくはないが、極めてまれ。
なお、ほとんどの人は、「自分の親に適した葬儀の規模」は知りません。そのため、年齢や交友関係などを確認して、「ちょうどよい葬儀」を葬儀会社とともに考えていくのが基本です。
亡くなってから葬儀までの間に行うこと
6.【喪家】葬儀の本格的な打ち合わせ
4で葬儀の大枠を決めたら、そののちに本格的な打ち合わせに移行します。
- 喪主の決定
- お寺や親族への連絡
- 食事の有無(引き出物の準備にも関わってくる)
- 供花や供物の用意
- 祭壇の希望
- 式の進め方などの希望
- 棺や骨壺を選ぶ
などです。
7.【喪家】葬儀で使うものの用意、連絡
さらに、喪家側で「使うもの」の用意をします。たとえば、遺影や、葬儀のときに流す音楽などです。遺影は現在は「笑っている、洋装の写真」が一般的になっていますが、故人の希望がある場合などはそれに沿います。なお、加工をして、洋装→和装にすることもできます。
「お別れの言葉」を読み上げてもらいたい、挨拶をしてほしいなどの希望があれば、この時点で、お願いしたい人に連絡をします。
なお供花や供物に関しては、
- 喪家が出す
- 名前は親戚の名前だが、支払いは喪家が行う
- 親戚や友人が自分たちで支払いをして、自分たちの名前で出す
の3パターンがあります。いずれにせよ、供花や供物は葬儀会社および葬儀会場によって入れられるものが違うため、葬儀会社との打ち合わせが必須です。
8.【喪家】「近しい人」以外への連絡
6までに連絡をするべき人は、基本的には「臨終の場にいてもらいたかったり、挨拶をしてもらいたかったり、供花や供物に関わったりする人」であり、故人・喪主と極めて近しい関係にある人です。
しかし、葬儀の枠組みが決まったら、ほかにも、
- 地域の人
- 付き合いはそれほど頻繁ではないが、血縁上は近い親族
- 故人および喪家の会社や学校
に連絡をしておくべきです。また、必要に応じて、新聞のお悔み欄にも出します。
なお直葬・家族葬の場合は、喪家が声をかけた人しか参列しません。その場合は、地域の人や遠い親戚などへの連絡、またお悔み欄への掲載はしなくてもかまいません。
ただし、制度上の手続きの問題や忌引きの関係もあるので、会社や学校には連絡をします。この場合は、「葬儀は家族のみで執り行うため」として、葬儀の日程などは伏せます。
9.【喪家、親族、参列者】
火葬や葬儀のための服装・持ち物の準備をします。
| 通夜 | 葬儀 | 不祝儀 | |
| 喪家・ご家族 | 正喪服もしくは準喪服 | 正喪服もしくは準喪服 | 基本不祝儀は不要。ただし「長男がすべての費用を負担する」などで、弟妹が実質的には参列者の立場の場合は、弟妹は不祝儀を持参する |
| 親戚 | 準喪服 | 準喪服 | 辞退の意向が示されていない限りは持参 |
| 友人など、ほかの参列者 | 略喪服、準喪服 | 準喪服 | 辞退の意向が示されていない限りは持参 |
いずれの立場でも、準喪服であれば失礼にはなりません。
10.【喪家・親族・参列者】通夜
通夜を行います。通夜は、
- 葬式の前日
- 例外を除き、16時~21時までの間でスタートする。ボリュームゾーンは18時~20時
- 通夜の後には通夜振る舞いが行われる
という特徴があります。通夜の後は、ご遺体はご家族とともに一晩過ごします。
11.【喪家・親族・参列者】葬式
葬式を行います。基本的に葬式は、9時~14時までの間でスタートするもので、特に10時~13時までに行われることが多いものです。
この「葬式」は、参列者にとって、故人との最後のお別れとなる場所です。
読経や焼香を経たのち、花を棺に入れて、出棺となるのが一般的です。
12.【喪家・親族】火葬~収骨~食事
火葬場につき、火葬炉の前でお別れを行い、火葬後の収骨を行います。火葬にかかる時間はケースによって異なりますが、おおむね2時間程度でしょう。
なお火葬には火葬許可証が必要ですが、このあたりの手続きも葬儀会社が担当します。
火葬後は収骨をします。
収骨後は、食事のできる場所(葬儀ホールに併設されていることもある)に移動し、精進落としの食事をして解散となります。
なお、上記の日程は、比較的よく見られる「ご臨終の翌日に通夜を行い、その翌日に葬式を行い、葬式同日に火葬を行う」というスケジュールとして紹介しています。
しかし東京など一部の地域では火葬場が少ないため、場合によってはご臨終から5日程度経ってからの通夜となることもあります。
※ご臨終後、24時間以内に火葬を行うことは法律で禁じられています。
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