平均額から考える葬儀費用とその内訳

平均額から考える葬儀費用

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葬儀には多額のお金がかかる」ということは、多くの人が知っているのではないでしょうか。ただ、「結局どれくらいの金額がかかるの?」「平均費用はどれくらいか」という疑問の明確な答えは知らない……という人もいることでしょう。ここでは葬儀の平均費用と現在の傾向、そして葬儀費用の内訳を紹介していきます。また、合わせて、「葬儀会社が出す『最低価格』と、実際の葬儀費用に乖離(かいり)があるのはなぜ?」という疑問にも答えていきます。

葬儀の平均額、いったいいくら?

賛否両論あるいはさまざまな解釈があるものの、葬儀費用の平均額はおおよそ200万円くらいだといわれています。これは日本消費者協会が出した数字によるものです。現場の専門家のなかには「200万円という数字は高すぎるのではないか」という意見を述べている人もいます。ただ、「実際にうちで行っている葬儀の平均は、だいたいこれくらいだった」としている人もいます。この2つの意見のどちらが正しい・どちらが間違っているとはなかなか言えませんが、データもあるため、ここではひとつの基準としてこの「200万円」の数字を採用します。

ただこの数字は、あくまで「新型コロナウイルス(COVID-19)前の」ときの数字です。新型コロナウイルス(COVID-19)が流行り始めてから、葬儀業界も大きく変わりました。今までは一般葬の方が主流であったのに、新型コロナウイルス(COVID-19)流行後は「小さい葬儀」である家族葬の割合が非常に増えました。家族葬はその形式によって料金が大きく異なるのですが、おおむね80万円~100万円程度が相場です。そのため、新型コロナウイルス(COVID-19)前に比べれば、新型コロナウイルス(COVID-19)後の葬儀費用の平均額はずっと小さくなっていると考えられます。

葬儀の内訳とそこに含まれるもの

葬儀費用はなかなかその内情が見えにくく、「何にいくら使われているのか」が分かりにくいものでもあります。ここでは「200万円」を基準に、「何に、いくらくらいかかるか」について解説していきます。

葬祭一式費用

葬儀一式費用の相場は約100万円くらいです。「葬祭一式費用」とは、「葬儀を行うためにかかるもろもろの費用を含めた費用」のことをいいます。名称は葬儀会社によって異なり、「祭壇費用」等の呼び方をしているところもあります。この「葬儀一式費用」のなかには、

  • 祭壇の設置料金およびその周りの花の料金
  • 霊柩車などの運賃およびご遺体搬送料
  • 親族控え室などの利用料金
  • ホールの使用料金
  • 葬儀会社のスタッフの人件費
  • 火葬場の利用料金
  • 書類代行費用
  • 遺影作成費
  • 簡単な着替え、故人が利用する布団代金

などが含まれています。下記で述べる「御布施」「飲食費用」以外のものがここに含まれることが多い、と考えるとよいでしょう。非常に多くのものを含むため、葬儀費用全体に占める割合が大きく、これだけでだいたい全体の2分の1程度を占めます。

御布施費用

お布施費用の相場は約50万円です。これは宗教者を呼ぶときにかかる金額です。基本的には大きな葬儀であれば大きな葬儀であるほど高く、小さな葬儀であればあるほど低くなります。ただし仏教などの場合は、「その地区にどれくらいの信者がいるか」で御布施が変わってくることも覚えておきましょう。その地方に多い宗派ならば御布施は安くなりますし、そうではない場合は高くなる傾向にあります。
御布施の費用は、約50万円です。なお戒名を授かるためのお金もこの50万円に含まれています。全体の4分の1程度がこの「御布施」に相当するわけです。

飲食費用

飲食費費用の相場は約50万円です。葬式の場では、食事を取る機械が意外なほどに多いものです。たとえば一般葬の場合は、

  1. 通夜振る舞い
  2. 翌日の朝食
  3. 火葬場で食べるお菓子などの料金
  4. 精進落とし後の会食

の4つが発生します。※3に関しては、頂いた供物をばらして用意することもあります。また2に関しても、現在はコンビニなどでも気軽に買えますから、葬儀会社に用意してもらう必要性は薄くなっています。また、葬儀費用について解説する場合は、この「飲食費用」に、香典返しや引き出物の料金を含むかたちがよく取られています(本稿でもこのかたちを取ります)。この「飲食費用」は意外と高く、全体の4分の1程度を占めます。つまり、200万円の葬儀ならば50万円程度がこの「飲食費」の金額だといえます。

ここで紹介した割合は、あくまで目安です。葬儀会社ごとに出してくるデータが異なったり、実際の葬儀費用の支払いに違いが出たりする点には注意が必要です。なお費用面で不安がある場合は、気になっている葬儀会社に見積もりを出してもらうとよいでしょう。そうすることで、「かかるであろう費用」の試算ができます。

「最低価格」が示すもの

さてここまで、葬儀費用の平均とその内訳を紹介してきましたが、多くの人は「思ったより高い」という感想を持ったのではないでしょうか。、「テレビでは『10万円から』と言っている」「近くの葬儀会社を通りかかったら、『13万円で葬儀ができる』と書かかれていた」という人もいるでしょう。ただ、葬儀会社が出している価格は、「もっとも小さな葬儀の形式のかたちを基準としている」と考えなければなりません。

この「最低価格」で挙げられている費用で葬儀を行おうとすると、選べるのは「火葬式」のみです。火葬式は「直葬」とも呼ばれるもので、あらゆる葬儀のなかでもっとも簡単で簡潔で、時間とお金と手間がかからない形式です。なぜならこの火葬式の場合は、一切の宗教的儀式を含まず、ホールも借りず、火葬炉の前でお別れをするかたちを取るからです。食事の席を設けることも基本的にはなく、現地で解散となります。このような形式をとる火葬式は、葬儀会社のスタッフの人件費が非常に安くなります。またほかの葬儀プランのなかでは当たり前についているアイテムや作業も省略されています。たとえば、「火葬式の場合は遺影も作りません。作る場合はオプション料金がかかります」としているところすらあります。葬儀会社は、この「もっともシンプルな葬儀」である火葬式の料金をもって、「最低価格」を打ち出しているのです。

また、火葬式ではない場合でも、葬儀会社が出してきた金額と比べて使った金額が大きくなった……というケースはよくあります。これは多くの場合、葬儀会社が出してくる見積もりには飲食費用と御布施の金額が組み込まれていないからです(※飲食費用は概算をのせて計算してくれる葬儀会社もあります。ただ御布施はのせません)。上でも述べたように、飲食費用と御布施は、2つ合わせて葬儀費用全体の半分を占めます。「多額のお金が動くのに、見積書に入れてくれないなんて……」と不満に思う人もいるかもしれません。ただこれには止むを得ない部分もあります。通夜振る舞いや精進落としの席でどれくらいの飲み物が出るかは非常に把握しにくく、最終的な金額は飲食が終わった後にしか出せないのです。また、葬儀会社と料理の仕出し店は「提携はしているものの別会社である」というケースが多いという現状もあります。

御布施は、完全に葬儀会社から離れたところにあるものです。ご家族がご自身の気持ちにしたがって包み、ご家族自身がご僧侶に渡すものです。ここには葬儀会社のスタッフは関与しません。そのため、葬儀会社が御布施の金額を読むことは不可能なのです。

このような事情から、見積もりを一件しただけでは分かりにくい「請求書に含まれる金額」およびは、葬儀会社に描かれているプランよりは高くなることが一般的です。

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