お盆の時期にお墓参りするというご家庭は、決して少なくはないでしょう。
ここではそんな人のために、
- 準備するもの
- 作法の違い
- 現地での流れ
などについて解説していきます。
なお、お墓参りの作法は、
- 初盆か
- それ以外か
によって大きく変わってきます。そのため、それぞれ分けて解説していきます。
事前にしっかり準備を行っておこう
お墓参りをする際に必要なものは、初盆かそれ以外かによって異なります。さらに、喪主か、参列者かによっても変わるので、それぞれ見ていきましょう。
それぞれ、「それを持っていかなければならない人」に〇をつけています。
| 喪主・初盆 | 喪主・初盆以外 | 参列者・初盆 | 参列者・初盆以外 | |
| お花・ろうそく・ライター・供物・線香 | 〇 | 〇 | × | × |
| 提灯(白) | 〇(持参せずに、家に飾るだけの場合もあり) | × | × | × |
| 提灯(絵柄) | × | 〇(持参せずに、家に飾るだけの場合もあり) | × | × |
| 数珠 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 袱紗(寒色もしくは紫色) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 不祝儀 | × | × | 〇 | 〇 |
| 御布施 | 〇 | 〇 | × | × |
| 服装 | 準喪服 | 準喪服もしくは略喪服、あるいは普段着(※後述) | 準喪服・略喪服 | 略喪服もしくは普段着 |
上記の一覧表を元に、もう少し詳しく解説していきましょう。
お花・ろうそく・ライター・供物・線香
お花やろうそく、ライターや供物は、喪主側が用意するものです。喪主側から依頼されない限りは、参列者は基本的には用意しなくてよいでしょう。
ただし、手土産的に、仏壇にお供えするものを「供物」として持っていったり、「ご仏前に」と気持ちを示すためにお花を持って行ったりすることはあります。
なお、お墓にお供えした供物は必ずその場で持ち帰ります。虫・鳥による害を防ぐためです。ただしお花はそのままでかまいません。
提灯(白)
白無地の提灯は、初盆のときのみに使われるものです。基本的には家に吊るして使いますが、場合によってはお墓にまで持っていく場合もあります。ただし「提灯を用意して、家に飾る」という風習自体がかなり廃れてきているということもあり、必須ではありません。
提灯(絵柄)
初盆以降の提灯は、絵柄が入ったものを使います。これも「提灯(白)」と同じく、「持って行かないケースも多い」「そもそも家に飾る人も少なくなってきている」という背景があります。
数珠
数珠は、「なくても構わないが、持参するとより丁寧なもの」と考えられています。持っていく数珠は、「故人の宗派に合わせた本式数珠」がもっとも正式ですが、これは「相手の宗派を知っていて、自分の宗派も同じであり、本式数珠を持っていること」が条件となるので、基本的には「どの宗派でも使える略式数珠」でかまいません。
なお、浄土真宗では「仏様が常に見守っていてくださるので、煩悩の数を除くための道具である数珠は必須ではない」と考えられています。ただ、「浄土真宗では絶対に数珠を持って来てはならない」というわけではないので、相手の宗派が分からない場合は、略式数珠を持っていくのが無難でしょう。
袱紗(寒色もしくは紫色)
袱紗は、不祝儀もしくは御布施を入れるために使うものです。弔事に使う袱紗は、寒色系のものを選びます。ちなみに紫色は、慶事も弔事も使えるので、新しく買い求めるのであれば紫色が便利です。
参列者は直接ご僧侶とお布施のやり取りをすることはないので、参列者が袱紗に入れるのは「不祝儀」です。
対して喪主は参列者に対して不祝儀を入れることはないので、喪主が袱紗に入れるのは「御布施」です。
なお袱紗は、「風呂敷タイプのものがもっとも正式で、ポケット式(金封袱紗)は略式である」とされていますが、現在は後者でもほぼ問題はないとされています。
不祝儀
不祝儀の額は、「いつの墓参りか」「法要の有無」「食事の有無」によって異なります。
| 墓参りのみ | 法要あり、食事なし | 法要あり、食事有 | |
| 初盆 | 5,000円~10,000円 | 5,000円~30,000円 | 10,000円~50,000円 |
| 初盆以外 | 3,000円~5,000円 | 5,000円~30,000円 | 10,000円~50,000円 |
※関係性によっても異なる。故人・喪主と近い立場の場合は、上限近くの金額になることもある※
※「簡単な墓参りのみ、法要なし」の場合は、不祝儀を包まなくてもよいケースもある※
御布施
お布施は、ご僧侶などの宗教者を呼んだときに、喪主側がお渡しするものです。
| 個別に呼ぶ | 寺などで合同で行う | |
| 初盆 | 30,000円~50,000円 | 5,000円~30,000円 |
| 初盆以外 | 10,000円~50,000円 | 5,000円~20,000円 |
※「徒歩圏内」「寺で行う」「ご家族が送り迎えをする」以外の場合は、お車代(5,000円~10,000円)が必要※
※ご僧侶が食事をしない場合は、「御膳料(5,000円~10,000円)」を包む※
【不祝儀・お布施の表書きと袋の早見表】
| 袋 | 水引 | 表書き | |
| 参列者 | 基本は白無地+水引が無難
ほか、 ハスの花の入ったもの(仏教) 十字架や百合が入ったもの(キリスト教) |
黄白の結びきり
黒白の結びきり 双銀の結びきり まれに青白の結びきり(地域による) |
御仏前(仏教)
御玉串料(神道) 御花料(キリスト教) |
| 喪主・御布施 | 白無地 | 基本かけない
黒白・双銀の結びきりは許容される |
御布施
御礼 |
| 御車代 | 白無地 | 基本かけない
黒白・双銀の結びきりは許容される |
御車代 |
| 御膳料 | 白無地 | 基本かけない | 御膳料 |
※弔い上げの場合などは、特例として、不祝儀に赤白の結びきりの水引がかけられることがある※
服装
ご家庭によって考え方が異なります。
初盆で法要がある場合は、喪家は準喪服、参列者は準喪服もしくは略喪服とします。
初盆以外でも法要を伴う場合は、喪家側は準喪服もしくは略喪服とし、参列者は略喪服が望ましいでしょう。
しかし法要なしの場合は、両者とも略喪服あるいはダークカラーの普段着で構いません。「亡くなった人の顔を見に行く」という感覚の場合は、Tシャツにジーンズでも失礼にならないこともあります。
お盆のお墓参り、その流れについて
お盆のお墓参りの流れは、法要のある場合と法要のない場合では異なります。
【法要あり】
- 参列者とご僧侶の予定を合わせる
- レストランなどの予約をする
- 喪家側がお墓の掃除をし、お花や供物などの手配を行う
- 当日、仏壇の前で読経
- お墓に移動
- お墓を軽く全員で掃除をする(しないこともある)
- 読経と焼香
- レストランに移動
- 食事~解散
【法要なし】
- 喪家側がお墓の掃除をし、お花や供物などの手配を行う
- 当日、お墓に移動(前もって家で集合し、仏壇の前で宗教者なしで焼香することもある)
- お墓を軽く全員で掃除をする(しないこともある)
- 焼香
- 解散(食事をすることもある)
法要を伴うお参りを想定している場合は、「必ず参列してほしい人」の予定に合わせて組まれます。そのため、参列を打診される立場になったときには、基本的には参列すべきです。
ただし、「外国に住んでいて、どうしても帰れない」「入院中。退院していたとしても、長距離の移動には耐えられない」という場合は、電話などで事情を早めに伝えて、
- お供え物
- 弔電
- 不祝儀
などを送るようにしましょう。
なお、「自分が本来は喪主となるべきだが、遠方に住んでいるし、親戚ともほとんど付き合いがないので、お盆の法要などはするつもりはない。ただ、お墓が荒れていて困るし、手を合わせたい気持ちはある」という場合は、お墓参り代行サービスなどを検討するとよいでしょう。
宗教・宗派別でもお墓参りの仕方は異なる
お墓参りのときには、特に宗教・宗派ごとの違いが見られます。
| 何を供える? | お参りの手順 | 宗派による違い | |
| 仏教 | お花、果物、お菓子 | 手を合わせる、線香を供える | 浄土宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗は線香1本
浄土真宗は1本を2分割にする 天台宗・真言宗は手前に1本、奥に2本 ※地域などによって異なる場合もある |
| 神道 | 榊、米、塩、水、線香はない | 二礼二拍手一礼 | |
| キリスト教 | お花。特に白い花、お供え物と線香はない | 故人ではなく、神様に祈る。両手を胸の前で組む | カトリックは「父と子と精霊の御名において、アーメン」と唱え、十字を切る
プロテスタントは十字を切らない |
お盆の墓参りの作法や仕方は、ご家庭ごと・タイミングごと・地域ごと・立場ごと・宗教宗派ごとの違いがあり、とまどうことも多いものです。しかし事前に互助会にご相談いただければ、このような「とまどい」を最小限にすることができます。
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