【無宗教】葬儀の概要・流れ・マナーなどを解説

葬儀 無宗教

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現代の日本では、遺された人の負担が少なく、故人の人柄が思い出される「無宗教葬儀」が選ばれることが増えているといわれています。無宗教葬儀は自由な形式で行ってかまわないのですが、自由である一方、どのような流れで進めていったらいいのか悩むケースもあるのではないでしょうか。

この記事では、無宗教葬儀の流れやマナーについて詳しく紹介していきます。無宗教葬儀を検討している人は参考にしてください。

無宗教葬儀について

無宗教とは、決まった宗教や宗旨、宗派を信仰しないという考え方です。神や仏など「神格的な存在」を信じているかどうかは関係ありません。
お正月で複数の神社やお寺を参拝したり、クリスマスやハロウィンなどのイベントで盛り上がる日本では、無宗教、無信仰である人が非常に多いといわれています。

そのような文化が影響しているかわかりませんが、近年は特定の宗派や宗旨にとらわれない「無宗教の葬儀」を希望する人が増えているようです。
無宗教の葬儀は自由葬とも呼ばれているように、僧侶の読経や讃美歌の斉唱なども必要なく、故人や遺族の希望に沿って式の流れ(式次第)を自由に組み立てることができます。

例えば、故人が好きだった音楽を流しながらお見送りをしたり、好きだった芸能人に司会やナレーションをお願いして、ドラマティックにお見送りをすることも可能です。また、思い出の品や故人の動画を見ながら故人の思い出を語り合う「お別れ会」のような形で進行してもいいでしょう。

ただし、無宗教葬儀を行う場合は、式次第を自分たちで細かく考える必要がありますし、自分たちで行わなければいけない準備も増えるため非常に手間がかかります。また、親族や参列者に事前に説明しておかないと不快な思いをさせてしまう可能性があることもあるので、事前に説明し理解を得ておきましょう。

無宗教葬儀の流れ

無宗教葬儀には「こうしなければいけない」という決まりは特にありません。とは言え、決まりがないと、かえって「どうすればいいのかわからない」と悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

あくまでも一般的な例ではありますが、以下で無宗教葬儀の流れを紹介していきますので参考にしてください。

臨終

病院で亡くなった場合は看護師が処置を行い、担当医から死亡診断書を渡されます。自宅で亡くなった場合は、主治医に連絡して死亡診断書を作成してもらいましょう。主治医がいない場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。警察の検死の後に処置を行います。
もし、その他の場所で亡くなった場合は、監察医の検死の後に死体検案書(死亡診断書)が渡された後の搬送になります。

ご遺体の搬送は自家用車でもかまわないとされていますが、遺体搬送車(寝台車)を準備した方が安全です。葬儀社などで手配できる場合もありますので、相談することをおすすめします。

安置

無宗教葬儀の場合でも、故人のご遺体は安置所にすみやかに移動する必要がありますので、どこに安置するかは事前に決めておいた方が良いでしょう。葬儀社で手配してもらえる場合もありますので、わからない場合や急なことで手配が間に合わない場合は、まずは葬儀社に相談してみましょう。

無宗教葬儀に決まった安置方法はありませんが、故人が好きなものを供えたり、好きだった音楽を流して安置することが多いといわれています。

納棺

納棺とは、故人の身支度を整えて棺に納めることです。ご遺体を湯灌(ゆかん)や清拭でお清めする必要がありますが、清拭で済ませることが多く、清拭は病院側の処置に含まれていることもあります。

納棺時の服装は宗旨による決まりがありますが、無宗教の場合は特に決まりはありません。故人が好きだった服装や大切にしていた服、また故人の人柄がわかるような服装を着せてあげると良いでしょう。

通夜

通夜は故人との最期の時間を偲ぶものとされていて、一般的には僧侶の読経と焼香が行われます。無宗教葬儀では、読経の代わりに献奏で音楽や動画を流すことも多いようです。

通夜の一般的な流れの一例として、

  1. 参列者の入場
  2. 黙祷
  3. 献奏
  4. 感謝の言葉
  5. 献花
  6. 閉式の言葉

のような流れが挙げられますが、無宗教葬儀では特定の決まりや儀礼はなく、最近では通夜を行わないケースも増えているといわれています。故人の希望や好み、遺族の意向で決めていきましょう。

また、通夜振る舞いの料理にも決まりはなく、洋食やデザート付きのメニューでもかまわないとされています。故人の好みや参列者の好みにあわせた会食にしましょう。

葬儀・告別式

無宗教葬儀ですので、葬儀・告別式の流れも自由に決められます。

一般的には

  1. 参列者の入場
  2. 開式の挨拶
  3. 黙祷
  4. 献奏
  5. 弔電紹介
  6. 遺族代表から感謝の言葉
  7. 献花
  8. お別れ
  9. 閉式の挨拶
  10. 出棺

という流れで進められ、火葬の後に会食が設けられることが多いといわれています。葬儀・告別式も、読経は必要ではありません。故人の好きな音楽を生演奏で流したり、故人の思い出をナレーションや動画で紹介して、故人を見送ってあげてもいいでしょう。

ただし、葬儀社によって対応できることが違ってきますので、どのような演出で進めていくかについては葬儀社と相談のうえ決めていくことをおすすめします。

葬儀後

仏教の葬儀では葬儀の後に初七日や四十九日などの法要を行い、その後も一周忌、三周忌、七周忌などの法要が必要になりますが、無宗教ではこのような決まった法要は特に必要ありません。
ただ、何もしないというのは寂しいですし、「冷徹な人」と誤解を招いてしまうことにもなりかねません。故人の人柄にあわせた食事会やイベントなどを企画して、故人を偲ぶ機会を作ってもいいでしょう。

また、葬儀後には「遺骨の供養」が必要になりますが、こちらにも特に決まりはありません。最近では、住宅事情などの影響でお墓を作らない人も増えています。目新しいものでは「ダイアモンド葬」なども登場していますが、一般的には下記の形で供養することが多いといわれています。

ただし、菩提寺に納骨を希望する場合は、勝手に無宗教葬儀を行うと納骨を断られることがあるので、必ず事前に相談するようにしましょう。

海洋散骨

海洋散骨では、粉末状にした遺骨を海に撒いて供養します。遺族自身が撒いて供養するのが一般的ですが、船に乗れない事情がある場合などは、港で見送れる場合もあるようです。業者によって散骨方法やお見送りの方法が違ってきますので、事前に確認することをおすすめします。

ただ、全て海に散骨してしまうと、海から遠いところに住んでいる遺族は故人を偲ぶ機会が減ってしまうため、永代供養とあわせて行うことも多いといわれています。

永代供養

永代供養は、お寺や霊園などが遺族に代わって遺骨を管理・供養してくれることです。宗教・宗旨・宗派が問われることはありませんし、一般的には合祀(他の人の遺骨と一緒に埋葬すること)となり新しくお墓を作る必要がなくなるため、費用を抑えることができます。仮に合祀墓ではなく個別墓を選んだとしても、新しくお墓を作るよりは費用を抑えることができるでしょう。
また、後継者がいなくても、決められた期間はお墓の管理・供養を続けてもらえるという利点もあります。

基本的には初期費用のみで維持費が不要といわれていますが、費用に関しては地域やお寺、霊園ごとに差がありますので、事前に確認しましょう。

最近は身寄りがない人や遠方にしか親戚がいない人も多く、永代供養を希望する人が増えているといわれています。合祀に良いイメージを持っていない人もいるかもしれませんが、多くの人がお参りに来てくれるし、一緒に供養してもらえるので寂しくないからと、あえて合祀を選択する人も増えているようです。

故人や遺された人の希望や環境を踏まえながら、納得のいく供養方法を選びましょう。

無宗教葬儀のマナー

無宗教葬儀に特定の決まりごとはありませんが、参列する側は一般的なマナーを守って参列しないと遺族の方に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
無宗教葬儀のマナーを紹介していきますので、参列時の参考にしてください。

無宗教葬儀の香典

葬儀の案内状に「ご厚志お断りします」と記されているときは香典を持参する必要はありませんが、一般的には無宗教葬儀の場合でも香典が必要になります。

無宗教葬儀の香典のマナーは以下の通りです。

香典の表書き・裏書き

形式を気にしすぎることはありませんが、不祝儀袋や白の無地封筒を用意し、表書き・裏書きともに一般的な形式で記入した方がいいでしょう。水引は必要ありませんが、使用する場合は黒白の結び切のものを使用するのが一般的です。

表書きには「御霊前」と書き、名前を書くときはフルネームで書きましょう。夫婦で参列する場合でも夫の記名だけでかまわないとされていますが、夫婦ともに縁が深かった場合は連名にすることをおすすめします。

裏書きには、住所と金額(金壱万円、金弐萬円などの難しい漢数字)を記載します。ただし、中包みに住所と金額を記載した場合は、裏書きは必要ないとされています。

香典の金額

香典の金額は、故人との関係性によって変わってきます。

一般的には下記が目安といわれています。

  • 両親 … 10万円程度
  • 兄弟姉妹 … 3万円から5万円まで
  • その他の親戚 … 1万円
  • 勤務先の上司 … 5000円~1万円
  • 勤務先の部下、友人・知人 … 5000円

お札の枚数は偶数や4・9を避け、新札ではなく古いお札を入れるようにしましょう。新札しか用意できない場合は、一度折り曲げてから入れるようにしてください。

無宗教葬儀の数珠

無宗教葬儀は宗教にとらわれない葬儀のため、基本的には数珠を持参する必要はありません。持って行かないと不安という場合や、お見送りの気持ちとして持っていきたいという場合は、宗派にこだわらず使える略式数珠を持っていくようにしましょう。

無宗教葬儀でお経をあげてもらうことはできる?

無宗教葬儀でも、お経をあげてもらうことができます。形式がない自由な葬儀のため、どのタイミングでお経をあげてもらうのかも自由です。もちろん、お経をあげなくてもかまいません。
故人は仏教を信仰していない場合でも、「丁寧に見送ってあげたい」という遺族の希望などがあり、読経を依頼することがあるといわれています。

ただし、すでに菩提寺がある家で無宗教葬儀で行う場合は、読経をお願いしてもかまわないか事前に相談した方がいいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。
無宗教葬儀の流れやマナーが理解できたでしょうか。

無宗教葬儀は、宗教や宗派、宗旨にとらわれない葬儀なので、基本的には故人の希望にあわせ、故人の人柄があらわれる葬儀になるよう自由な形式で行ってかまいません。
読経の必要はなく、故人の好みの音楽を流して見送ることが多いといわれていますが、遺された人が希望する場合は僧侶に読経をお願いすることも可能です。葬儀社によっては対応可能な演出が変わってきますので、故人の希望と遺された人の希望の両方を尊重し、葬儀社と相談しながら流れを決めていきましょう。

葬儀後の遺骨の供養方法も、基本的には自由です。最近では、永代供養と海洋散骨が増えてきているといわれています。ただし、菩提寺に納骨を希望する場合は、無断で無宗教葬儀を行ってしまうと納骨を断られることがありますので、必ず事前に相談するようにしてください。

無宗教葬儀に参列する場合でも、特に指定がない場合は香典を持参するのがマナーです。表書き裏書きは一般的な形式でかまいませんので、金額やお札のマナーを守って持参するようにしましょう。

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