現在、男性の3分の1程度、女性の4分の1程度が未婚の状態にあるとされています。また、結婚している人であっても子どもがいなかったり、子どもと没交渉になっていたりするケースも多く見られます。少子高齢化が進んでいる現在、今後はさらにこのような傾向が強まっていくものと思われます。
介護保険法は、高齢の方々を支えるべく1997年に成立しました。そしてこれは時代に合わせるかたちで時々見直しがかけられています。また2027年には、今後の高齢化社会に対応すべく、介護をする人材の確保のために介護保険改正が行われました。
このような背景を踏まえて、ここでは、「身寄りがない人(将来的に身寄りがなくなる人)」や、認知症に備えておきたい人のために、それに特化した終活について解説していきます。
介護保険改定~身寄りのない人、認知症の方でも安心できる世界へ
2027年に行われることになる介護保険改定は、介護人材を確保するためのものであると同時に、身寄りのない人や認知症の人のためのものでもあります。
たとえば、下記のような取り組みが行われる予定です。
自己負担額の見直し
75歳以上の人は、原則として医療費などの負担が1割、一定以上の収入がある人の場合は2割、現役と同等程度の収入がある人は3割負担とされています。
しかし高齢者の割合が増えていくなかで、このような負担割合のあり方ではサービスを維持できないと考えられるようになりました。そのため、1割負担の人の割合を減らし、2割負担の人の割合を増やせないかという検討が行われることになっています。
在宅サービスをより強固なものに
高齢者のうちの半分以上程度が、「家にいたい」「在宅でケアを受けたい」と希望している現状があります。
QOLの観点から、このような希望を叶えるために、今回の見直しでは在宅サービスの充足を支援する取り組みが進められる予定です。
ただこれは、何の支援もなくただ高齢者を「家に返す」ためのものではありません。地域包括支援センターが、生活支援コーディネーターやご家族とともに手を取り合い、在宅で質の良い介護を受けられるように整備をしていくことが想定されています。
「看取り」に対応した施設の普及
「家で死にたい」と考える人が多い一方で、いわゆる「おひとりさま」や重い認知症、また長期療養を必要とする人にはそのハードルが高いのは事実です。
このようなことから、厚生労働省は「介護医療院」の創設に取り組むこととしました。
介護医療院とは、「要介護者の、生活のための施設であるとともに、長期療養のための施設である」という点です。
そのため、在宅復帰を目指す介護老人保健施設や、生活に重点をおいた介護老人福祉施設とはその存在理由が異なります。
この介護医療院は、とりわけ「その人らしい看取り」も重視しています。このため、おひとりさまや、認知症を患った人でも、安心して旅立てる施設になると期待されています。
死後事務支援などを扱う事業の普及
死後事務支援(死後事務委任契約)とは、亡くなった後に行わなければならない事務作業などを第三者に依頼しておく契約のことをいいます。
たとえば葬儀や、公共料金の支払いや、役所への届け出、納骨などがこれに当たります。
この死後事務支援(死後事務委任契約)は昔から制度としてありましたが、国や市町村は死後事務は行ってくれませんでした(火葬まではしてもらえる)。
しかし今回の改正で、「死後事務支援(死後事務委任契約)や、入院などの手続きを支援する福祉事業を発足させてはどうか」という提言がなされました。
成年後見人制度の見直し
また、上記と合わせて、成年後見人制度の見直しも提言されました。
成年後見人制度とは、認知症などで判断能力が不十分である人を支援するための制度で、
- 判断能力が衰えた後に利用するもの
- 将来的に判断能力が衰えることに備えて契約するもの
の2つに分けられています。
この成年後見人制度は、認知症を患うなどした人の心強い味方です。
ただ一方で、
- 一度使い始めると、その人の認知力が回復しない限りは終了できない(※認知症は基本的には回復しない)
- 代理人が取消権を有するために、本人の意志決定が必要以上に制限される
というマイナス点がありました。
そのため今回の法改正では、
- 解任事由を新たに制定することはできないか
- 新しく申立権者を作ることはできないか
- 成年後見人制度を開始する際の理由が消滅した場合、成年後見人制度を終了することはできないか
などを見直すこととなりました。
今からでもできる! もしものときの備えについて
おひとり様や認知症になった後でも安心して過ごせるようにと社会は変わっていっていきます。
ただ、「自分で、今、できること」を考えておくことも重要です。
死後事務委任契約
今回見直しも図られる予定の死後事務委任契約は、2026年2月現在は、自分で結んでおくことを考えるべきものです。
死後事務委任契約を結んでおくと、
- 行政手続き
- 納骨
- 連絡
- さまざまな方面への支払い
- ペットの引き継ぎ先を決める
- サブスク契約の解除
などを頼めます。
なおこの死後事務委任契約をお願いする相手はだれでもかまいませんが、法律の専門家(弁護士など)に頼んでおいた方がより確実です。
任意後見制度
前述した通り、任意後見制度は現状でも「完璧な」制度とまではいえません。
しかし認知症などを患った人にとって有益なものであることは確かです。
ちなみに、死後事務委任契約同様任意後見人にはだれでもなれますが、これも法律の専門家が受任することが多いといえます。
なお、任意後見人を監督する「任意後見監督人」という制度もありますが、これは家庭裁判所の判断によって選ばれるものであり、任意後見人本人や任意後見人の配偶者および直系血族などはなることができません。
「相談できる先」の確保
人間は年齢を重ねると、自分自身でそれと気づかないうちに、判断力が鈍ってくるものです。
その結果として、契約トラブルなども増えてきます。2023年の統計では、契約にまつわるトラブルを相談する人のうちの4人に1人以上が70歳以上だとしています。
このようなトラブルを防ぐためには、「すぐに判断することはやめて持ち帰る、人に相談すること」が大事です。
年齢を重ねれば重ねるほど、「相談できる先」を確保しておくことが重要になるのです。
出典:国民生活センター「2023年度全国の消費生活相談の状況」p3
事前の準備の相談も、互助会が安心
また、「自分らしい最後」を迎えるために、事前に互助会などに加入しておくこともおすすめです。
たとえば互助会では、以下のような相談に乗ってくれます。
- 葬儀の相談
理想の葬儀のあり方や、適切な大きさ、予算などの相談が可能。また、積み立てておくことで金銭的な負担も軽減できる - お墓の確保
どんな墓地が理想か、どのような埋葬方法を希望するかを選択できる。後継者の必要のない永代供養のかたちを選ぶこともできる - 高齢者施設の紹介
お世話になる高齢者施設の紹介や、特徴について相談できる。生活面のサポートについての相談も可能 - 遺品の整理
残していくことになる遺品の整理を頼める。また、生前整理についての相談もできるため、「今後のことも考えて物を減らしたい」という場合にも力になる - 遺産の整理
遺産をどうするべきか、相続税対策を考えたいという人向けのサービスも提供している。残されるご家族の負担を減らすこともできる
増えていく「おひとり様」「認知症を患った人」に対して、国もさまざまな方策を考えています。ただ国の方策に頼るばかりではなく、自分たちでもできる対策を打つことは非常に重要です。
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