「訃報を受け取ったが、どうしても葬儀に参列できない」という人もいるのではないでしょうか。
そんな人のために、「弔電」があります。
弔電についての基礎知識
弔電は、故人を悼み、ご家族に寄り添うために送るものです。葬儀に参列できないときなどに送るもので、不祝儀・供物・供花をご辞退されている葬儀にも送れるという特徴があります。なぜなら弔電は、場所もとらず、お返しも必要ないものだからです(※明確に「弔電ご辞退申し上げます」とされている場合を除く)。
弔電の送り先
弔電は、基本的には葬儀会場に送るようにします。
ただし、自宅で葬儀を行う場合は自宅に送ります。
なお「どうしても葬式・告別式までに弔電が間に合わない」という場合は、ご自宅宛てにお悔やみの「手紙」を出すようにします。
弔電を送るタイミング
弔電は、訃報を知ったタイミングですぐに送ります。弔電は葬式・告別式までに届けなければなりませんが、葬式・告別式は早いご家庭ではご逝去後2日後までに終わらせることがあるからです。
なお電報はもともと「急ぎの連絡を迅速に届けること」を目的としています。そのため、原則、14時までに送れば当日までに届きますし、14時以降の申し込みでも翌日までに届きます(海外など一部の例外は除く。また詳細は各電報サービス会社に確認のこと)。
弔電の宛先と敬称
弔電の宛先は、喪主の「フルネーム+様」が基本です。
ただし、
- 喪主のフルネームが分からない→「(故人名)ご家族様」
- 結婚して苗字が変わった友人田中花江(新姓)の実父が亡くなった。喪主は、田中の母親であり、故人の配偶者であった鈴木花子である→「鈴木花子様方 田中花江様」
などのように書くこともできます。
弔電のバリエーション
弔電にはバリエーションがあります。
基本となるのは、定型文+シンプルな紙台紙のかたちで、1500円程度から送ることができます。
また、マット加工などを施した紙台紙や、線香付きのものやプリザーブドフラワー、フォトフレームつきの弔電などもあります。
また、詳しくは後述しますが、弔電は定型文で送ることもできますが、オリジナルの文章で送ることもできます。
「どんなバリエーションがあるか」「料金はどうなるのか」「定型文の種類」などは電報会社ごとによって違うので、見比べてみるのもよいでしょう。
| 送り先住所 | 葬儀会場 |
| 送るタイミング | 訃報を知ってすぐ。葬式・告別式に間に合わせるようにする |
| 送り先の名前 | 喪主名が基本 |
| 文章 | 定型文もしくはオリジナル文章 |
| 弔電のバリエーション | 1.シンプルな紙台紙
2.特殊加工の紙台紙 3.プリザーブドフラワーや線香、フォトフレームなどのオプションつき台紙 |
弔電の例文|関係性・宗教宗派を考慮して選ぶ
弔電の文章は、
- テンプレートから選ぶ
- 自分でオリジナルの文章を作る
の2つのパターンのいずれかを選ぶことができます。
弔電を送る際は、
- その人との関係性
- 故人の宗教宗派
をまず考えて作ります。
なお、どのような関係性・宗教宗派であっても、
- 重ね言葉(またまた/たびたび/重ね重ね など)
- 生死を直接的に言い表す言葉(生きていた/死んだ など)
- 「死」「苦」を連想させる数字(四、九)
- 不幸が繰り返されることを連想させる言葉(おって/繰り返し/再三 など)
はタブーです。
句読点(「、」や「。」など)は、現在ではタブーとまではされませんが、避けた方が安全です。
【テンプレート1】
「〇〇様のご逝去を悼み 謹んで哀悼の意を表します」
もっとも一般的な言い回しであり、関係性・宗教宗派を問わずに使えます。なおテンプレートとしてよく「〇〇様のご逝去を悼み ご冥福をお祈りいたします」などの表現もピックアップされますが、この「ご冥福」という言葉は厳密には仏教用語です。そのため、相手が仏教以外の宗教を信仰している可能性がある場合は、使わない方が無難でしょう。
【宗教別・仏教】
「〇〇様のご逝去を悼み 心からお悔やみ申し上げます(仏教全般)」
「〇〇様のご逝去の報に接し惜別の念に耐えません 心から哀悼の意を表します(浄土真宗)」
「〇〇様ご逝去の報を受け驚きに耐えません 〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます(浄土真宗以外)」
「冥福」は仏教用語のひとつであり、弔電に非常によく用いられる表現です。しかし浄土真宗の場合は、「人は亡くなったらすぐに仏になる」という考えをするため、「冥福」という表現は避けた方が無難です。
迷ったのならば、「冥福」という言葉を使わず、一般的なお悔みの言葉を選ぶとよいでしょう。
【宗教別・キリスト教】
「〇〇様と過ごせた日々に心から感謝申し上げます 〇〇様が安らかな眠りにつかれることをお祈り申し上げます」
キリスト教では、「神様の御許で永遠の安息を得る」と捉えるのが一般的です。そのため、「冥福を祈る」「悲しい」という表現は基本的には使いません。「安らかな眠りを祈る」「天国での平安を祈る」などの表現を使うとよいでしょう。
なお、「主の慰めがありますように」「この地上での役割を終えられ天に召された〇〇様が」「ご家族に主イエス様の励ましがありますように」などもキリスト教の弔電の文例としてよく出されますが、このあたりの宗教色の強い文例は控えた方がよいこともあります。なぜなら、「故人はキリスト教の信徒であり、キリスト教の葬儀を行うが、ご家族はキリスト教の信徒ではなかった」というケースもあるからです。
台紙は、ハスの花の入ったものは避けます。十字架や百合の花の入ったものがよく選ばれます。
【宗教別・神道】
「〇〇様の訃報に接し謹んで哀悼の意を表します 御霊の安らかな眠りを心からお祈りしております」
神道においては、「亡くなった方は、霊となって子孫を守る」と考えます。
このため、「ご冥福を祈る」などの言葉は使いません。なお、台紙は、ハスの花の入ったものは避けます。
【関係性別・祖母などの尊属】
「訃報に接し 悲しみで胸がいっぱいになっています 子どものころに遊びにいくといつも優しい笑顔で迎えてくれた大切なおばあちゃん おばあちゃんの作ってくれるからあげが大好きで夏休みがいつも楽しみだったことを覚えています ありがとうございました」
弔電という改まった場所に出すものですが、親しく付き合っていた祖父母やおじおばの場合は、ある程度くだけた親しみを感じさせる文章で問題ありません。昔の思い出話を添えるとよりよいでしょう。
【関係性別・友人】
「突然のお別れの報に接し驚きで言葉も見つかりません 中学校の図書室で一緒に好きな本を広げて語り合っていたあの日を昨日のことのように思い出します
たくさんの思い出をありがとうございました どうか安らかな旅立ちとなりますように」
友人相手の弔電の場合も、思い出のエピソードを入れるとよいでしょう。また、受け取ったご家族がすぐに「どういう立場の人からの弔電か」が分かりやすいように、文章のなかにさりげなく「どの時代の友達か」などを入れるとより親切です。
【関係性別・仕事関係の相手】
「〇〇株式会社××(役職名)△△(故人名)様のご逝去の報に接し 衷心より哀悼の意を表します
長きにわたり丁寧に弊社を御担当いただきましたこと 心から感謝申し上げます
ご遺族様のお心の御平安と〇〇様の安らかなご永眠をお祈り申し上げます」
仕事関係の相手の訃報を受け取った場合は、仕事関係のエピソードに軽く触れるとよいでしょう。また、このケースの場合は、例外的に相手の役職名などを出すこともあります。
ただし、定型文で送っても失礼にはなりません。
弔電は、故人への思いとご家族への寄り添いを、文字にしたためて送るものです。
失礼のないように文章を組み、正しい送付先・正しいタイミングでお送りしましょう。
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