「今年家族を亡くして、喪中の年末年始を迎える」というご家庭のために、ここでは「喪中のときの年末年始の過ごし方」について解説していきます。
喪中の年賀状の取り扱い方について
まず、「喪中のときの年賀状の取り扱い方」を紹介していきます。
基本的には、年賀状は喪中の家庭からは出しません。12月初旬(遅くても中旬まで)に喪中ハガキを送り、年末年始の挨拶を辞退する旨を伝えましょう。喪中の家庭からは年賀状を送りませんが、受け取る分には問題ありません。
「喪中につき年末年始の御挨拶を差し控えさせていただきます
本年〇月✕日 父(続柄)▽▽が永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに 明年も変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます
皆さまが健やかに新年を迎えられますこと心からお祈り申し上げます」
などのようにしたためます。
「12月初旬以降に家族が亡くなって、喪中ハガキを出せなかった」「喪中ハガキを出していなかった人から、年賀状を受け取った」という場合は、寒中見舞いのハガキを出します。
寒中見舞いは1月15日~2月4日の期間に届くように送るもので、
「寒中お見舞い申し上げます
寒さも厳しさを増してきた折、いかがお過ごしでしょうか
こちらでは大雪に見舞われる日も増えてまいりました
どうぞ皆さまもお体を大切にしてお過ごしくださいませ」
などのようにします。
喪中の年末年始の過ごし方一覧
ここからは、喪中の年末年始の過ごし方を一覧で見ていきましょう。
正月飾り、鏡餅、おせち、お屠蘇の扱い
正月飾りや鏡餅、おせちに関しては、喪中の年は避けるのが基本とされています。またお屠蘇も、元日の朝に飲むのは避けます。飲む場合は夜に飲むようにしましょう。
ただ、このあたりはご家庭ごと・地域ごとによって多少考え方が違います。
- 忌中(四十九日が過ぎるまでの期間)でなければ、これらを用意しても良い
- 御重箱(「おめでたいことが重なるように」の意味がある)でなければ、おせちを食べても良い
- 金箔や縁起物を避ければ問題ない
- 仏教以外の宗教ならば問題ない
- いわゆる「大往生」であり、故人も「小さなお見送り」を希望していたため、制限をしない
などのように考える場合もあります。
初詣
初詣は、忌中でなければ行ってもかまいません。
また、神道では死を穢れとして扱うため、忌中のときの参拝はNGとされる一方で、寺院には忌中であっても参拝してもかまわないと考えられています。
仏教では死を穢れと捉える宗教観を持っていないからです。
| 忌中 | 喪中 | |
| 神社 | ✕ | 〇 |
| 寺院 | 〇 | 〇 |
※例。実際にはご家庭ごとで考え方は異なる
お年玉のマナー
お年玉の由来はいくつかあります。
- 鏡餅に年神様が魂を宿していく。魂のこもったそのお餅を配った
- 家長が、神様から目に見えない力を新年に授かり、それを「かたちに見えるもの」にして家族に配った
- 年始に送る物品(毬や刀、化粧箱など)を「年玉」と言い、その風習が「お年玉」のかたちで残った
1の由来から考えると、お年玉もまた縁起物であるため、喪中に配るのは相応しくないように思われます。
ただ現在では、お年玉は実際には「お小遣い」として配られることも多いため、喪中であっても渡してもかまわないと考えるご家庭も増えてきました。
気になるようであれば、表書きを「お年玉」とはせず、「お小遣い」「図書料」などのようにして渡すのがよいでしょう。
お歳暮のマナー
お歳暮は、「今年一年ありがとうございました」「お世話になりました」の心を込めて贈るものです。そのため、自分が喪中でも、また相手が喪中でも、お歳暮を贈ることには問題はありません。
ただし、「相手が忌中である」という場合は、時期をずらして、「寒中見舞い」のかたちで贈るのがベターだとされています。なぜなら、忌中期間は相手がまだまだ忙しく、時間がとりにくいこともあるからです。
また、喪中の場合は、「お慶び申し上げます」「ご清栄をお祈りしています」「ますますご健勝のことと思われます」などのように、お祝い事につながる言葉は避けます。
「今年一年、お世話になりました。寒い日が続きますが、お体にお気をつけてお過ごしください」などがよいでしょう。
ちなみに、お歳暮は、直接お渡しするかたちでも、郵送で送るかたちでも問題ありません。
年始の挨拶で「おめでとう」を避ける場合の言い換え表現
年明けの挨拶として広く使われている「あけましておめでとうございます」の文句ですが、これは喪中・忌中の場合は厳密には避けるべきだとされています。可能ならば、「昨年はお世話になりました」「今年もどうぞよろしくお願いいたします」などのような言い回しをとるとより良いでしょう。
ただし、「年明けの出勤日」「ご近所さんとの挨拶」などのときに言われる「あけましておめでとうございます」は、いわば慣用句的な表現です。そのため、過度に敏感になる必要はありません。言われた場合は必要以上に気にせず、そのまま「今年もよろしくお願いします」などのように返す方が無難です。
年賀状を受け取ってしまったときの対応
喪中ハガキは、「こちら側からの新年の御挨拶は控えさせていただきます」と知らせるためのものです。喪中ハガキを受け取った人は、通常、差出人への年賀状を出すことは控えるケースが多いのですが、
- 送付先を一括で管理しており、そのまま出してしまった
- 喪中ハガキを受け取るタイミングが遅く、すでに年賀状の手配をしてしまった後だった
- 喪中ハガキを受け取っていなかった
などで、喪中の人に年賀状を出す人も決して少なくありません。
喪中であっても、「相手からの挨拶」である年賀状を「受け取る」分には問題ありません。
ただし、相手から年賀状を受け取っても、松の内(1月15日まで)中には返信しないのが基本です。「寒中見舞い」として、1月15日~1月31日程度までをめどにハガキを出しましょう。
この場合は、1や2のときには「年賀状を頂いたことへのお礼」「相手の健康を気遣う言葉」を入れます。また、3のケースでは、これに加えて、「喪中であったため、年末年始の挨拶は控えた」という言葉を入れます。
なお、寒中見舞いは、年賀状とは性質が異なります。そのため、
- 日の出や干支などの、年賀状によく使われるモチーフは避ける
- 年賀ハガキを使うことは避ける
- ツバキや雪など、冬のモチーフを使ったものがベスト
です。
ちなみに葬儀・喪中関係のお知らせの文面には、基本的には句読点を使いません。これは「葬儀やお見送りを滞りなく行えるため」という願いが込められていますが、寒中見舞いをはじめとした季節の挨拶にも句読点はつけません。季節の挨拶のハガキに句読点をつけないのは、「縁に終わりや、区切りがないように」という意味が込められています。
初めて迎える「喪中・忌中での年末年始」は、何かと気にするところが多いものです。基本的にはお祝い事につながる風習は慎むべきですが、地域・ご家庭ごとによって考え方に違いがあるのも事実です。
基本を踏まえたうえで、「自分たちの喪中・忌中の過ごし方」を模索していくとよいでしょう。
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